2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15401026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 慎一 金沢大学, 文学部, 助教授 (80237403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金原 正明 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (10335466)
後藤 雅彦 琉球大学, 法文学部, 助教授 (30291553)
佐川 正敏 東北学院大学, 文学部, 教授 (40170625)
宇田津 徹朗 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00253807)
鈴木 三男 東北大学, 理学研究科, 教授 (80111483)
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Keywords | 国際研究者交流 / 中国 / 考古学 / 木器 / 種実 / 花粉 / プラントオパール / 珪藻 |
Research Abstract |
今年度は、平成15年秋に2度にわたり延べ11名が訪中し、計3週間余りを現地調査に費やした。調査内容は、遺跡の踏査および土壌試料採取・各種出土遺物の観察・実測・写真撮影、木器の樹種鑑定、土壌試料のプレパラート作成および題微鏡観察などからなる。 踏査を実施した遺跡は浙江省内12ヶ所、江蘇省内3ヶ所の計15ヶ所である。このうち、蕭山市跨湖橋(跨湖橋文化)、余杭市下家山(良渚文化)、平湖県大墳塘(馬家浜〜良渚文化)、昆山市綽〓(〓沢〜良渚文化)の4遺跡で土壌サンプルを採取し、生物顕微鏡を用いて花粉・プラントオパール・珪藻・微小種実の分析を行った。 遺物研究のために訪問した研究機関は7ヶ所あるが、そのうち浙江省文物考古研究所、河姆渡文化博物館、良渚文化博物館の3ヶ所において余姚市河姆渡遺跡(河姆渡文化)、蕭山市跨湖橋遺跡(跨湖橋文化)、余杭市廟前遺跡(良渚文化)の木製品約50点につき詳細な観察・記録を行った。 以上の調査・分析を通じて得られた成果は以下の通りである。まず、各文化期における木器器種と使用樹種との対応関係の一端を明らかにすることができた。この地域では出土木器の木材鑑定はこまでほとんど行われておらず、先駆的な業績と言える。また、土壌試料の顕微鏡観察から、イネ・プラントオパールの時代的変化の様相が明らかになったこと、ヒプシサーマル期に相当する跨湖橋遺跡において海進の影響を確認したこと、綽〓遺跡における馬家浜文化期水由址の存在が裏付けられたことなどは特筆すべき成果と言える。 なお、上記研究成果の一部を2003年11月に江蘇省昆山市で開催された綽〓遺跡検討会で発表したほか、2004年3月には金沢大学で研究成果報告会を開催し、研究代表者の中村と海外研究協力者の趙輝が発表を行った。
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Research Products
(2 results)