2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15401026
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 慎一 金沢大学, 文学部, 助教授 (80237403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐川 正敏 東北学院大学, 文学部, 教授 (40170625)
後藤 雅彦 琉球大学, 法文学部, 助教授 (30291553)
金原 正明 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (10335466)
鈴木 三男 東北大学, 植物園, 教授 (80111483)
宇田津 徹朗 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00253807)
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Keywords | 国際研究者交流 / 中国 / 植物考古学 / 木器 / 編み物 / 花粉 / プラント・オパール / 珪藻 |
Research Abstract |
今年度は、平成17年9〜10月と平成18年3月の2度にわたり延べ11名が訪中し、計約4週間を現地調査に費やした。 木製品と編み物については、余姚田螺山(河姆渡文化)、余姚河姆渡(河姆渡文化)、長興江家山(馬家浜文化)、余杭卞家山(良渚文化)、諸曁尖山湾(銭山漾類型)、湖州毘山(馬橋文化)の計6遺跡の出土品100点余りを対象として調査を実施した。花粉、プラント・オパール、珪藻、種実の分析については、昨年度に各時期の遺跡から採取したサンプルの分析を継続的に進めた。 まず、木製品研究については、製作工程の復元と時代ごと、器種ごとの樹種選択の傾向把握を主な目的として調査を進め、いずれも良好な成果を得ることができた。また、昨年サンプル採取を行った跨湖橋遺跡出土弓の表面の「膜」が、間違いなく漆であり、かつ、酸化鉄を顔料として用いていることが赤外線吸収スペクトル分析によって判明した。結果的に、科学的鑑定を経たものとしては世界最古の漆器を確認することができた。 編み物については、諸曁尖山湾出土品20点余りの調査を行ったことにより、編織技法と器形の復元について中国江南地域で初の分類案を提示することができた。 土壌試料の分析から得られた大きな成果としては、田螺山遺跡における水田址の範囲推定を行ったことが挙げられる。今後の発掘調査で水田址が検出される可能性が高まったといえる。 なお、平成18年3月に浙江省文物考古研究所と金沢大学において、それぞれ中国向け、日本向けの研究成果報告会を開催し、研究成果を日中両国の数多くの研究者に公開した。3月末には研究成果報告書として『長江下流域新石器文化の植物考古学的研究』を刊行する。
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Research Products
(4 results)