2004 Fiscal Year Annual Research Report
近現代におけるモンゴル系諸集団とイスラームの関係について
Project/Area Number |
15401034
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大野 旭 (楊 海英) 静岡大学, 人文学部, 助教授 (40278651)
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Keywords | イスラーム / 保安族 / 東郷族 / モンゴル系諸民族 / スーフィズム / 門宦 / 中国 / モンゴル |
Research Abstract |
二年目においては、まず昨年度に実施した調査の成果を「黄土高原のイスラーム(1)-2003年〜2004年保安族・東郷族調査報告」と題する報告書のかたちで公開した。また同じ趣旨で日本文化人類学研究大会(於東京外国語大学)などにおいて口頭発表をおこない、従来からその実態が知られていなかったモンゴル系諸集団のイスラーム社会の一端を広く学界に向けて発信した。 昨年度の調査を引き継いで、今年度内には以下のような現地調査を実施した。 一、夏季において、寧夏回族自治区と内モンゴル自治区西部において、モンゴル族と回族との関係の実態について調査を実施した。近現代における紛争の実態と紛争防止のメカニズムについて把握できた。 二、冬季においては、青海省と甘粛省に赴き、保安族が東方へ移住する前の居住地である同仁県をはじめ、サラール族の故郷たる循化県などの地で現地調査を実施し、資料収集をおこなった。 三、2005年3月には再び寧夏回族自治区に入り、都市社会におけるイスラーム諸集団と他の諸民族との関係について追加調査を実施した。 調査地に中国以外の研究者が入るのは数十年ぶりのことであるため、各界へのインタビューだけでなく、文字資料の収集もおこなった。今後、これらの資料を総合的に検討し、学界だけでなく、社会全体に向けて紹介していく予定である。
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