2003 Fiscal Year Annual Research Report
世界文化遺産地域開発における持続可能な開発マネージメントに関する調査・研究
Project/Area Number |
15402005
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 しのぶ 東京工業大学, 学術国際情報センター, 助教授 (40345369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 和彦 文化庁, 文化財部・建造物課, 文部科学技官
高田 潤一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90222083)
小島 泰典 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90334523)
神田 学 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90234161)
三木 千寿 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20016645)
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Keywords | 持続可能な開発 / 世界文化遺産 / 保存と開発 / 開発と工学 / Integrated Conservation / UNESCO |
Research Abstract |
本研究では、世界文化遺産地域開発における現地調査および、文献分析を中心に持続可能な開発マネージメントに関する手法をケーススタディーを通じて検証することを目的としている。一年目の現地調査は、白川郷(日本)、アルベロベッロ(イタリア)、ルアンパバーン(ラオス)を中心に行われた。この3箇所に共通するのは居住地区が世界文化遺産地域に指定されている点である。世界文化遺産地域開発が現在直面している問題分析、特に文化遺産地域を開発する際に直面するおもな問題点-住居問題、地域の公共サービスに関する問題、交通問題、舗装問題、ツーリズム問題などを中心に分析を行った。現地調査を中心にした研究報告は第七回世界文化遺産国際シンポジウムにて発表した。更に、UNESCO(国連教育科学文化機関)、ICCROM(文化遺産保存修復国際研究所)の両機関において文献収集及び、文化遺産地域保存と開発のプロジェクトに取り組んでいる専門員とのインタビューを通じて、"Integrated Conservation"アプローチ概念の歴史的発展、意義、波及状況、長所および、今後の課題など多方面からの分析を行った。特に、ICCROMにおける調査では初60年、70年代など歴史的変遷を語る資料収集が大変有意義であった。また、UNESCO・ICCROM共催のAsian Academy for Heritage Management主催の第一回フィールド調査に参加し、他のアジアの主要大学・研究機関の研究者と共に、マカオの文化遺産地域開発が直面する問題点分析、提言を含めたブリーフィングを現地政府および、UNESCO/ICCROMの専門家対象に行った。更に、上記の文献調査の概要、および、ルアンパバーンでの現地調査の内容は、2月に行われた第8回国立民族学博物館共同研究会にて発表された。アジアの諸地域では遺産保存の重要性を考慮せずに無理な開発を進め、危機遺産に指定されている地域が増えていることが指摘されている。世界遺産コンベンション及び、保存と開発に関して十分な知識と理解を有している工学系専門家が求められており、当研究が今後の世界文化遺産地域の維持可能な開発を促進する基礎資料となるべく、更に現地調査中心で2年目の研究を行いたい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shinobu Yamaguchi, Yasunori Kojima, Jun-ichi Takada, Katsuyuki Haneda, Kazuhiko Nishi: "Integrated Conservation Approach : A case of Shirakawa-mura in Japan"Proceedings of the 7^<th> International Symposium of the Organization of World Heritage Cities. 1. 84 (2003)
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[Publications] 山口しのぶ: "世界文化遺産地域開発に関する調査・研究"Integrated Conservation"アプローチとそのアジア地域での応用性について"国際開発高等教育機構FASID 研究フェロープログラム. 1-24 (2004)