2004 Fiscal Year Annual Research Report
世界文化遺産地域開発における持続可能な開発マネージメントに関する調査・研究
Project/Area Number |
15402005
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 しのぶ 東京工業大学, 学術国際情報センター, 助教授 (40345369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 潤一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90222083)
下間 久美子 文化庁, 文化財部・建造物課, 文化財調査官
三木 千寿 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20016645)
神田 学 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90234161)
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Keywords | 持続可能な開発 / 世界文化遺産 / 保存と開発 / 開発と工学 / Integrated Conservation / UNESCO |
Research Abstract |
本研究では、世界文化遺産地域開発における現地調査及び、文献分析を中心に持続可能な開発マネージメントに関する手法をケーススタディーを通じて検証することを目的としている。2年目はアジアの世界文化遺産地域であるラオス国ルアンパバーンに焦点をおき、現地の政府機関であるLa Maison du Patrimoine(MdP)との協働のもと現地調査を中心に研究を行った。ルアンパバーンは1995年に世界文化遺産地域として登録されて以来、MdPがUNESCOはじめ、外部からのアシスタンスのコーディネーション機関となり、包括的な開発を独自のペースで続けている稀なケースである。2004年前半のUNESCO主催の国際セミナー"Fighting Poverty through Heritage"に参加し、本研究の一年目の成果を発表して以来、UNESCO、現地政府および現地の大学との協議のもと、計5回の現地調査を行った。ラオス国は、ICT(情報技術)分野は周辺の国々に比べ遅れておりいまだ国家レベルでのポリシーは策定されていない。UNDPによると、総合的開発が遅れている一要因としてICT導入の遅れが指摘されている。本年度の研究では、どのような情報技術がルアンパバーンの地域開発に必要とされているか聞き取り調査を行い、本年度後半には東工大研究チームと現地機関による共同研究チームを作り、La Maison du Patrimoneが保有する3,000余りの世界文化遺産に関するデータをサーバーベースのデータベースシステム構築を行った。その際、オープンソースソフトウェアを活用しコスト面からも維持可能性を重視した。この活動の中で、文化情報省、農林省、科学技術環境庁、通信建設省、および地域開発ユニット等の担当官、研究員との連携を通じIntegrated Conservationのあり方を再確認した。さらに、国連HABITAT主催の国際フォーラムにてUNESCOと共催セミナーを開催(2004年9月)。UNESCO文化局の要請を受け、"Heritage & Urban Development"セッションを開催した。世界文化遺産管理と開発の研究に携わっている研究者・専門家8名(日本、フランス、スペイン、マリ、ラオス)による報告及びディスカッションを行った。国際機関からの専門家も参加し、活発な議論が交わされた。研究代表者は同セミナーにて"World Heritage and Application of ICT"を発表した。
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Research Products
(5 results)