2005 Fiscal Year Annual Research Report
南部アフリカにおける民主化と社会構造変動に関する学際的研究
Project/Area Number |
15402010
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
小倉 充夫 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (40055322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 一明 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (80159970)
永原 陽子 東京外国語大学, アジアアフリカ言語文化研究所, 助教授 (90172551)
遠藤 貢 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70251311)
舩田クラーセン さやか 東京外国語大学, 外国語学部, 講師 (70376812)
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Keywords | 民主化 / 農村社会 / 人種関係 / 紛争 / ザンビア / ジンバブエ / 南アフリカ / モザンビーク |
Research Abstract |
昨年度に引き続き小倉はザンビア東部州で調査を行ない、ペタウケでの商工業者面接を継続した。市場における経済活動は農業とその生産の結果に影響される。農民の購買力に左右されるばかりか、季節性を顕著にもつことが明らかとなった。商工業者自身農業に従事しており、農村社会と緊密な関係を維持している。その有様について調査を行なった。井上はジンバブエのムガベ政権における土地政策とそれによる政治的緊張に注目しつつ、農村社会の変容を政治学的に跡づける作業を継続した。特に共同牧草地の管理・運営について分析し、農村への市場経済の浸透により生じる環境問題を政治学的に明らかにした。 永原は南アフリカおよびナミビアの人種問題に関する史料を分析し、人種における「純粋性」とそのイデオロギーについて考察した。白人であるという自己認識がどのように形成されてきたのかを問うことは、南部アフリカにおける人種関係、人種差別の構造を明らかにする上で有益であった。遠藤は民主化が比較的進んでいるとされるナミビアと南アフリカで浮かび上がっている問題を調査した。制度面ばかりでなく、実態そして社会的レベルに注目することにより南部アフリカ民主化の課題を検討した。アフリカにおける民主化に関する諸理論の整理をあわせて行なった。舩田クラーセンはモザンビークでの調査を続け、解放闘争以来の対立の構造とその起源について研究を進めた。 15年度には研究分担者であったモニカ・セハスを含めて、秋には研究会を開き研究成果の発表も行なった。民主化とそれに伴う構造改革は進んではいるが、それによる新たな問題や矛盾の存在について検討を行なった。
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Research Products
(9 results)