2004 Fiscal Year Annual Research Report
生態学的知見を基礎とした地域資源の総合的管理システムの研究
Project/Area Number |
15402014
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
畠山 武道 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40062666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 龍一 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (60239994)
福士 明 札幌大学, 法学部, 教授 (60142676)
交告 尚史 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (40178207)
土屋 俊幸 東京農工大学, 農学部, 助教授 (50271846)
柿澤 宏昭 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (90169384)
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Keywords | EU環境行政 / 自然保護区 / エコシステムマネジメント / NATURA2000 / オーストラリア環境行政 / 農村計画 / 水源保全 |
Research Abstract |
本年度は、ドイツ、オーストラリア、フランス、イギリスにて現地調査を行った。まず、フランスに関しては国際シンポジウム「森林政策・計画の評価」に参加し、森林所有者、林業公社、市町村、自然保護団体などの諸アクターがどのようなに森林政策・計画の評価に参加し、ヘルシンキプロセスで定義された諸基準・指標のどの部分にどの程度関心をもつかをどのような基準で評価するのかに関して情報を収集した。また、フランスにおける水源地での森林経営の数少ない事例であるAgrivair社に赴き、具体的な森林管理の内容について資料収集・聞き取りを行った。イギリスに関しては農村計画策定の現状と課題についての調査をおおなった。オーストラリアについてはキャンベラを訪問し主として連邦政府環境保全政策の現状について聞き取り・資料収集を行った。このなかで国際的な自然保護の枠組がつくられるなかで、連邦政府がこれを活用して州政策への介入を図っていることが明らかとなった。もともと弱い権限しか持たない中央政府が国際的な取り組みを通して全国的な自然保護を進め、州への影響力を高めようとしているのである。ドイツについてはゲッチンゲン大学において森林・環境政策に関わる情報収集を行ったほか、バーデンビュルテンブルク、ラインラントプファルツ、ノルトラインウエストファーレン州、及びボンの連邦自然保護庁において森林政策の概況とNATURA2000の自然保護区ネットワークの形成状況について調査を行った。この結果、ドイツにおいては森林と自然保護の連携が良くなく、伝統を持つ森林行政に自然保護があまり口出しできなかったが、EU指令によってこの構図が変わりつつあり、自然保護に対応できない森林行政の現状が明らかとなった。
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Research Products
(6 results)