2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15402016
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
衛藤 幹子 法政大学, 法学部, 教授 (00277691)
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Keywords | 政治学 / ジェンダー / 自発的活動組織 / 市民社会 / 政治参加 |
Research Abstract |
本年度の現地調査は、スウェーデンのストックホルムとフィンランドのヘルシンキで実施した。ストックホルムでは、スウェーデンの総選挙におけるフェミニスト政党(「フェミニスト・イニシアティヴ」、以下FI)の選挙キャンペーンをアクション・リサーチによって調査し、併せて日本とは趣向の異なるスウェーデンの投票制度をつぶさに見学した。投票日(9月17日)までの3日間にわたって、FIの選挙戦に参加しながら、男女平等先進国であるスウェーデンにおいて、なぜFIなる政党が登場し、彼女たちがいかなる公約を掲げ、またその目指すところは何であるのかを聞き取り調査した。その結果、彼女たちの目標が、男女平等を政策や制度上にとどまらず、社会の根源から達成することにあることが明らかになった。ヘルシンキの調査では、フィンランドの女性運動と労組や政党との関係を明らかにすることを目的に、ヘルシンキ大学のフェミニスト政治学者、主要な女性団体の代表者、政党政治家などにインタビューを行なった。フィンランドでは、伝統的に女性の労働組合運動が盛んであり、また近年では政党とも強い結びつきを形成している。この3者の緊張ある連携関係が、女性議員の増加や女性政策の推進に貢献していることがわかった。 本年度は、7月9-13日に福岡で行なわれた第20回世界政治学会のSession 382: Deepening Japanese Democracyにおいて、"Women's Movements in Japan : Intersection between Everyday Life and Politics"をテーマに、また11月9-11日には第38回北東アメリカ政治学会において、"Women's Political Activism and Democracy in Japan : Seen from Comparative Perspective"というテーマで、研究報告を行い、研究成果の一部を英語で発表することができた。さらに、7月8日には、昨年度の調査で知己を得たストックホルム大学社会科学部政治学科教授のドゥルゥデ・ダルレープ教授を招いて、法政大学大学院で「Global Quota Project」に関するセミナーを開催し、充実した研究交流を行なうことができた。
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Research Products
(1 results)