2004 Fiscal Year Annual Research Report
南極氷河標的ICECUBE観測実験による高エネルギー宇宙ニュートリノの探索
Project/Area Number |
15403004
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
河合 秀幸 千葉大学, 理学部, 助教授 (60214590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 滋 千葉大学, 理学部, 助教授 (00272518)
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Keywords | ニュートリノ / 宇宙線 / 天文学 / 南極 / 高エネルギー / 物理学 |
Research Abstract |
(1)検出器心臓部である光電子増倍管の基本応答(Gain, Charge response, Noise Rate, Waveform)の較正を南極現地の環境である-30Cの低温下で行った。専用のフリーザーを用いて光電子増倍管を冷やし、毎月約7本、現時点で68本の増倍管測定を遂行し、データをライブラリー化した。この測定は、IceCube実験で使用される増倍管が必要な性能を満たしているか否かをチェックするものである。さらに測定データは検出器シミュレーション(後述)に組み込み可能であり、詳細な検出器レスポンスを調べることができる。 (2)光電子増倍管の絶対較正を窒素封入チェンバー内のレイリー散乱を利用して行った。10%以下の精度で光子検出効率の絶対値を押さえることに成功した。 (3)IceCube検出器モジュール(DOM-Digital Optical Module)の計算機シミュレーションコードを開発した。ROMEOというコード名で、IceCube共同実験内で広く使われる基幹シミュレーターとして使われている。入射光子から、波形出力までの一連のシーケンスを計算し、アメリカグループが開発した回路シミュレータに接続されている。 (4)昨年度開発した、超高エネルギー領域のニュートリノ、μ、τ粒子の地球内伝播を計算するシミュレータをIceCube観測シミュレーションシステムの中に組み込んだ。JULIeTというコード名をもつこのモジュールは、現時点でIceCubeの超高エネルギー事象を計算できる唯一のプログラムである。この能力を用いて来年度以降、実際のデータ解析手法の開発、及び感度の見積もりの検討にはいる。 (5)南極現地における検出器埋設の後方支援を行った。検出器モニターを行い安定性をチェックしている。
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Research Products
(3 results)