2006 Fiscal Year Annual Research Report
南極氷河標的ICECUBE観測実験による高エネルギー宇宙ニュートリノの探索
Project/Area Number |
15403004
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
河合 秀幸 千葉大学, 理学部, 助教授 (60214590)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 滋 千葉大学, 理学部, 助教授 (00272518)
間瀬 圭一 千葉大学, 理学部, 助手 (80400810)
|
Keywords | ニュートリノ / 宇宙線 / 天文学 / 南極 / 高エネルギー / 物理学 |
Research Abstract |
IceCubeニュートリノ検出器は建設3年目に入り、平成18年度は、計13本のstring,1040個の光検出器を埋設した。日本グループも本補助金のサポートにより絶対構成された基準検出器を8本製作し南極に輸送した。本年度の実績を下に要約する。 (1)光検出器モジュール(DOM)を絶対較正し、チェレンコフ光応答を詳細に測定した標準リファレンス検出器"Golden"DOMを製作した。米国ウイスコンシン大学と共同で、PMT(光電子増倍管)のuniformity/collection efficiencyの測定、モジュール化した後の検出効率絶対測定を施した。計8本のGolden DOMを南極に発送、無事埋設した。 (2)これまでの3年間にわたる検出器較正データを統計処理し、平均的な検出器の振る舞いをモデル化した。この結果は検出器シミュレーションコードに取り込まれる。 (3)PMT較正データを元にした計算機シミュレーションによるDOMの性能・応答を、(1)による実際の測定結果と比較し、シミュレーションコード自体を補正し精度をあげた (4)ニュートリノイベントシミュレーションのデバッグ出しを完了し、計算コードはほぼ最終形となった。大量のシミュレーションデータ生成を開始、現在までに約100万事象が計算機に保存されている。 (5)平成18年6月から11月末まで、約140日間にわたって、南極現地で観測を行った。観測データは衛星回線を通して転送し、最もエネルギー領域の高い領域での宇宙ニュートリノ由来イベントの痕跡がないか調べ上げた。対応するコンピュータシミュレーションデータも同時に生成、相互に比較することで、莫大な雑音から、信号のみを取り出し得るフィルタリング手法を研究した。この結果はIceCube観測事件の1年目の結果として、国際会議で報告され論文として平成19年度に公表される予定である。
|
Research Products
(1 results)