2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15403007
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 良和 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00025420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 武志 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70283588)
宇津木 充 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10372559)
神田 径 京都大学, 防災研究所, 助手 (00301755)
鍵山 恒臣 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50126025)
大倉 敬宏 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40233077)
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Keywords | 空中磁気測量 / セシウム磁力計 / ホワイトアイランド / 火山性磁場変化 / プロトン磁力計 |
Research Abstract |
この研究目的は、ヘリコプターを利用した稠密で高精度の磁気測量によって火山性磁場変化を検出することにある。大きな火山性磁場変化が期待されるニュージーランドのホワイトアイランド火山を実験場として、昨年度には活動火口の上空で約2時間にわたる飛行を実施して稠密な磁場測定を行った。本年度は2月14日に約1時間の繰り返し観測を実施した。データ解析は進行中であるが、ここ数年の同火山の活動は比較的静穏で、火口湖の水位は20m程度上昇していた。火口湖の閉塞は火口直下における熱の蓄積を促進させ、岩石の磁化を弱めるので、火口の南側に正、北側に負の全磁力変化の出現が期待される。この研究を通して観測技術的問題はほぼ解決された。即ち、飛翔体の位置決定は、高精度のGPS受信機を地上とバードに設置して、ディファレンシャル解析することで1m精度で求められること、機体ヘリの磁化の影響を避けるには40m離す必要がありバード吊り下げ方式が優れること、安定な飛行を得るためのバードの形や円筒翼が決定できたこと、高精度のセシウム磁力計が大学で所有できたこと、パソコン画面に即時的にGPS位置を表示して航路誘導に用いるシステムが開発できた。また、リアルタイムでの対地高度取得にレーザー高度計を準備したが、100mを超えると反射光が弱くなり、地表の反射率が問題となることが判った。地上における磁場変化を取得するために、WIの2箇所にプロトン磁力計を設置して太陽電池での運用を試みたが、本年も蓄電池の容量が不足して約2ケ月の連続記録しか得られず、地上での時間推移は不明である。この研究と並行して筆者らは阿蘇、九重、桜島、磐梯、浅間の火山において飛行実績を積み重ねることが出来、空中磁気測量が大学の研究者によっても比較的簡単に実施可能であることを示せたことは成果の一つである。とりわけ、この研究の大きな目標であった空中磁気測量で火山性磁場変化を捉える課題は、九重火山における1996年と2004年の空中磁気測量データの解析から地上観測と整合的な50nTの火山性磁場変化を検出する成果を得た事で達成できた。
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Research Products
(6 results)