2004 Fiscal Year Annual Research Report
全地球炭素循環における石墨の役割と超大陸地殻の酸素欠乏現象の解明
Project/Area Number |
15403016
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
和田 秀樹 静岡大学, 理学部, 教授 (20126791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
サティッシュ クマール・エム 静岡大学, 理学部, 助手 (50313929)
石川 剛志 静岡大学, 理学部, 助教授 (30270979)
サントッシュ エム 高知大学, 理学部, 教授 (20333453)
板谷 徹丸 岡山理科大学, 自然科学研究所, 教授 (60148682)
鹿園 直達 慶應大学, 理工学部, 教授 (10011751)
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Keywords | 炭素循環 / 地球深部炭素 / 先カンブリア紀 / 石墨 / 炭素同位体比 / 変成作用 / 酸素欠乏地殻 |
Research Abstract |
本年度の海外での調査は、南インドのAchancovil Shear Zoneの、超塩基性岩に含まれる石墨試料の採集と地質調査を行った。ゴンドワナ大陸下のマントルの炭素の存在状態とその同位体比を探る上できわめてユニークな試料である。横浜国立大学のインドからの留学生により発見され、新展開を始めた。一方で、高知大学において、11月13-15日、International Symposium and Feld Workshopを開催した。この会議は、国際ゴンドワナ研究連合が主催し、随時開催するものであるが、今回のテーマは、Gondwana Evolution and Dispersalとし、本研究に海外研究協力者として登録している、スリランカ、スペイン、ウクライナの研究者を招聘して、特別セッション、Fluids in the Gondwana Crustを開催した。この研究集会は、20カ国、50名の参加者があり、ゴンドワナ大陸分裂の過程で起きた火成活動、新たに得られた年代測定結果などが紹介された。約40編の口頭発表と25編のポスターセッションによる発表が行われ、会議終了の翌日16日は、野外に於けるワークショップが開かれた。 本海外学術研究は、地球深部の流体の化学的および同位体的特性を明らかにすることを主たる目的としており、地質学や岩石学との共同の情報交換をすることによって更に広い展開が望むことができる。この研究集会は、本研究グループの他、横浜国立大が独立に推進している、海外学術調査隊との共歩調によって実現した。このような研究集会を開催できたことは、本研究にとって重要な情報の共有が可能となり、研究者間の直接の交流により研究のスペクトルを広げ、問題の整理に格好の機会を与えた。通常、このような研究集会は研究期間の最後に行うが、中間でおこなう意味は、更に研究の焦点をり込むことができ、まとめにあたって方針が明確になり研究の連続性が確保されるという点にあろうかと思われる。また、研究分担者のサティッシュ市氏は、これも独立に、極地研究所の南極調査隊地質班の夏隊メンバーとして11月より、4ヶ月間の調査に加わり、ゴンドワナ大陸分裂過程解析の鍵を握る南極大陸下の変成作用と流体活動に関わる試料採取と調査に大成功を納めた。本計画の海外に於ける共同研究と人的交流はかなりの成功をしていると考えられ、来年の最終年に於けるまとめと総括にとっても今年度の計画は大変有意義であったと思われる。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Genesis of Graphite deposits from Thodupuzha-Kanjirappally Belt, Madurai Granulite Block, Southern India.2005
Author(s)
Baiju, K.R., Satish-Kumar, M., Kagi, H., Nambiar, C.G., Ravisankar, M.
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Journal Title
Gondwana Research (in press)
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