2005 Fiscal Year Annual Research Report
天然ゴムの伸長結晶化挙動-Hevea樹クローン選択のために-
Project/Area Number |
15404011
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
こうじ谷 信三 京都大学, 化学研究所, 教授 (50027900)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
登阪 雅聡 京都大学, 化学研究所, 助手 (10273509)
妹尾 政宣 京都大学, 化学研究所, 助手 (40362389)
池田 裕子 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (10202904)
|
Keywords | 天然ゴム / クローン / 伸長結晶化 / エラストマー / 国際研究者交流 / 多国籍 |
Research Abstract |
天然ゴムの高機能化・高性能化を最終目的として、その伸長結晶化の挙動を放射光ビームラインにおける動的X線-引張りの同時測定とその解析結果から、ヘベア樹のクローンによる産出ゴムの差が検出できるかどうかの検討を行って来た。 今年度(最終年)の調査においては特筆すべきことは、数回の国際会議における講演で極めて多数の研究者の関心を集めたことである。特に、リオ・デ・ジャネイロで行われた、第10回国際エラストマーセミナーでの招待講演にはブラジル農業研究所の研究者が参加しており、講演後クローンについて討論を行った。同研究所では天然ゴムの原生地であるアマゾンではなくサン・パウロ地域での天然ゴム生産可能なクローンの開発を行っている。開発中の新しいクローンからの天然ゴムについて伸長結晶化挙動の検討を依頼された。残念ながら、このクローンは充分な量の試料の提供にはさらに、2,3年必要だということであるが、将来にわたってさらに検討の必要があることが示された。 さらに、本年度の第2の検討項目として、フィラー充てん天然ゴム架橋体を用いて伸長結晶化の検討を行った。ナノフィラーの存在は伸長結晶化に大きく影響すると予想されたが、意外なことにカーボンブラックについては挙動を根本的に変化させるような効果は認められなかった。同じくナノメートルサイズを有するシリカについても検討を開始し、予備的な結果ではあるがカーボンブラックとは異なる挙動を得ている。ナノフィラーの効果がクローンに依存するかどうかは将来の検討課題である。
|
Research Products
(6 results)