2004 Fiscal Year Annual Research Report
モデル化を目的とした異なる環境に育った水生植物のデータ収集
Project/Area Number |
15404015
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
浅枝 隆 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40134332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ジャガスマナトンゲ 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50334157)
田中 規夫 埼玉大学, 工学部, 助教授 (80323377)
藤野 毅 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (70282431)
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Keywords | 生長モデル / ヨシ / ガマ / Eleocharis shacelata / シャジクモ / R / S比 / 緯度依存性 / オーストラリア |
Research Abstract |
平成16年度においては、モデル作成およびそれを用いて緯度の影響を求める作業と、これをより一般的にするために、より特徴的な植物の生長などの生態学的データ収集、沈水植物の生長データ収集を行った。 ヨシおよびガマ類に関しては、前年度までに収集したデータを下にモデリングを行った。その後で、作成したモデルを用いて、ガマ類に関して、地上部および地下部の物質輸送およびそれぞれのバイオマスに関する緯度の影響、一次葉茎の出芽頻度に関する緯度の影響、ならびに、刈り取りおよびその後の生長に対する緯度の影響について、様々に条件を変えてシミュレーションを行い、緯度の影響を一般的に求めた。特に、地上部と地下部との関係では、物質移動がバランスした状態では、低緯度地域では、地上部が地下部よりも大きいものの、35-40度程度に緯度で、生産量に比較して呼吸損失が大きかった。 データ収集に関しては、当初対象としてたヨシ、ガマの他に、オーストラリアにて、地下茎への依存度が極めて高い、抽水植物エレオカリスEleocharis sphacelats、ジャンカスJuncus ingens、バウミアBaumea arthrophoraの生長データの収集を行った。その中で、特に、エレオカリスにおいては、ほぼ同緯度で、冬に気温が低下し、乾燥する場所の個体群と、冬にも比較的温暖で、常に抽水状態にある個体群とについて観測を行って、気候による影響の把握を行った。また、これらのデータを下に、地上部と地下部との間の物質のやり取りを表現するモデルを作成、その特徴を、気候との関係であきらかにした。その結果、年間の光合成可能な期間が長い場合には、地上部のバイオマスを大きくすることが可能であっても、冬季に地上部が枯死する場合には、十分な地下茎が必要であることなど、地下部/地上部比(R/S比)に関する関係等が明確になった。 沈水植物については、シャジクモ、フサモ、イバラモについて、オーストラリアの湖で定期的な観測を行って、バイオマスの変化また種ごとの競争に関する生態学的知見を得た。
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Research Products
(7 results)
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[Book] 河川計画論2004
Author(s)
玉井信行, 浅枝 隆, 池内幸司, 小池俊雄, 白川直樹, 黄光偉, 松崎浩憲
Total Pages
520
Publisher
東京大学出版会
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より