2003 Fiscal Year Annual Research Report
ボラを調査対象生物とした東シナ海沿岸域における環境ホルモン汚染の実態調査
Project/Area Number |
15405005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
征矢野 清 長崎大学, 水産学部, 助教授 (80260735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長江 真樹 長崎大学, 環境科学部, 助教授 (00315227)
高尾 雄二 長崎大学, 環境科学部, 助教授 (20206709)
石松 惇 長崎大学, 水産学部, 教授 (00184565)
原 彰彦 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (40091483)
石橋 康弘 長崎大学, 環境保全センター, 助手 (00212928)
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Keywords | 環境ホルモン / ボラ / 生殖異常 / ビテロジェニン |
Research Abstract |
我々はこれまでに、ボラが環境ホルモンの調査対象生物として適していること明らかにし、これを用いて環境ホルモン汚染の実態調査を全国の沿岸河口域を中心に実施した。その結果、大都市部周辺海域ほど汚染が進行しいていることが解った。この結果を受け、韓国や台湾などのわが国近隣諸国でもボラを用いた環境ホルモン汚染の実態調査を望む声が高まった。環境ホルモンによる水圏汚染は一国の問題ではなく、広域に渡る問題である。我々が開発した調査基準を用い、近隣諸国で環境ホルモン汚染の実態調査を行うことは意義深いことである。また、汚染の拡大を防止するためにも、このような調査を早急に実施し汚染の現状を把握しておく必要がある。そこで、本研究では研究協力体制が整っている韓国・台湾・フィリピンにおいてボラを採取し、野生魚類の生殖現象に及ぼす環境ホルモンの影響を調べることとした。また、本研究を通して東アジア地区の環境ホルモン研究ネットワークの構築を目指している。 平成15年度は、韓国の複数力所でボラの採集を行った。韓国における調査地は、済州島2カ所・統営1カ所、釜山1カ所である。また、フィリピン・イロイロ市郊外においてもボラの採集を行った。採集した個体より血液と生殖腺を採取し、これを日本に持ち帰った。現在、血中ビテロジェニン濃度の測定と生殖腺組織観察を進めている。
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