2003 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯雨林は人類にとって魅力的環境か:カメルーン南部熱帯雨林住民の生態人類学的研究
Project/Area Number |
15405016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 弘明 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40101472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 太郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70345049)
小松 かおり 静岡大学, 人文学部, 助教授 (30334949)
川村 協平 山梨大学, 人間科学部, 教授 (60126646)
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Keywords | カメルーン / 熱帯雨林 / 狩猟採集民 / バカ・ピグミー / 狩猟採集生活実験 / 生計活動 / 野生食物資源 |
Research Abstract |
熱帯雨林において人類は野生食物資源だけで生存可能かという問題を検証するためカメルーン南部の乾季の熱帯雨林において農作物に依存しない純粋な採捕生活実験を試みた。実験は8月17日から9月5日まで20日間,当地の狩猟採集民バカの6夫婦を被験者として実施した。調査項目は,体重,血圧,運動量など被験者の生理学的側面,採捕食物の同定と重量測定など栄養学的側面,加速時計や追跡観察による生計活動の行動学的側面であった。被験者およびその家族は健康面に異常もなく無事に実験期間を終えることができ,乾季の20日間と条件は限られるが,熱帯雨林における純粋な狩猟採集生活の可能性が否定されはしなかった。しかし,被験者に身体的,心理的な負荷はあったか,なかったか,もっと長期ならどうであったかなどについて,詳細な検討が必要であるが,現在,資料の整理中である。また,どれほどの時間・空間を活動したのか,という行動学的側面,どんな食物をどれほどの量を採捕したかなど栄養学的側面も早期にまとめたいと考えている。また,生理学的側面については次年度におこなうエネルギー消費に関する生理学的調査結果を待って,まとめるつもりである。2003年12月には,同地域において採捕生活キャンプ地の分布に関する広域調査,およびヤマノイモの高密度分布地域おけるキャンプ跡地の表面観察調査を実施した。この調査では土器片などの生活遺物も発見され,現在,資料の分析中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yamauchi T.: "Time-space use and energetic adaptation among Papua New Guinea Highlanders : a comparative study between subsistence and cash economy."Anthropological Science. 111(4). 406 (2003)
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[Publications] 佐藤弘明: "コンゴ森林農耕民ボイエラの運搬活動"浜松医科大学紀要. 18. 13-38 (2004)
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[Publications] 佐藤弘明: "民俗医学の貢献:アフリカ・カメルーン南部熱帯雨林住民の健康と医療"国際保健医療学への誘い(長崎大学熱帯医学研究所環境医学部門社会環境分野編). 61-74 (2003)