2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15405030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 実 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70050680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 俊樹 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (10217797)
山口 敏康 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (90167700)
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Keywords | 魚類 / ヒスタミン / ヒスタミン中毒 / アレルギー様食中毒 / ヒスタミンチェッカー / 衛生管理 / サバ科魚類 / HACCP |
Research Abstract |
本年度は我が国への水産物輸出実績の高い南太平洋諸島と中国に出向いて調査を実施した。それぞれの代表としてフィジー・スバ(受入機関・研究者:南太平洋大学Prof.Tony Chamberlain)と中国・広東省広州(受入機関・研究者:華南農業大学李長友教授・海南大学曽しょう教授)を選んだ。それぞれの訪問地で魚類ヒスタミンの分析を行うと共に、大学関係者、漁業関係者、分析担当者などにヒスタミンに関わる基礎知識とヒスタミンを通じた魚類の品質管理の啓蒙へ向けた講演を行った。 フィジーでの市場調査では、韓国人経営者の鮮魚店は全ての魚が氷蔵で販売されて良好な管理状態なのに対し、その他の店ではほぼ全ての鮮魚が冷却のない状態で店頭の棚に並べられており、ヒスタミン発生の危険性が高いと思われた。事実分析したカツオ、アジに少量ながらヒスタミンが検出された。現地の市民・漁民は魚を食した時にかゆみを感じる症状は知るものの、ヒスタミンの知識はなかった。ただし、訪問した南太平洋大学の分析センターでは最重要分析項目はヒスタミンとのことであり、持参したヒスタミンチェッカーに大きな関心を寄せた。現在の分析法は煩雑で、コンタミネーションの危険性の高い方法であることを知らしめるのには大きな成果を得たと思われる。 中国広州での調査では、魚は生きた状態で販売、調理されるのが多く、また、鮮魚でも氷蔵での取引が多く管理は良好と思われた。ただし、漁獲段階で傷を受けた魚が店頭に並ぶなど、消費までの時間が長くなるとヒスタミンの危害が発生する可能性が懸念された。中国では鮮魚では調査した範囲ではヒスタミンは検出されなかったが、干物にはイワシ、サバ、アジなどの内臓周辺で比較的高いヒスタミンが検出された。ここでも、ヒスタミンの単語は知られていなかった。講演した3つの大学でもヒスタミンチェッカーには大きな関心が寄せられた。
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Research Products
(1 results)