2006 Fiscal Year Annual Research Report
ユーラシア大陸のステップにおける大規模農業が草原生態系に与える影響評価
Project/Area Number |
15405042
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中村 徹 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 教授 (60015881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 一六 筑波大学, 名誉教授 (80015586)
田村 憲司 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 助教授 (70211373)
上條 隆志 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 講師 (10301079)
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Keywords | ユーラシア / ステップ / 植生 / 大規模農業 / 内蒙古 / 放牧 / 人為圧 / 砂漠化 |
Research Abstract |
ユーラシア大陸最大の自然草原(ステップ)は中国内蒙古自治区からウクライナ南部にかけて広がっている。ステップは豊かな自然資源であり、草原に住む人々の生活を支えてきた。しかし農業経済活動の発展により草原の利用形態が変化し、現在、ステップは大規模な農耕地へと姿を変えている。 本研究はユーラシア大陸のステップ地帯における大規模農耕地の存在が草原に対してどのような影響を与えているか、植生調査を中心とした現地調査とそれに基づく試・資料の収集によって明らかにすることを目的とした。 調査は内蒙古の自然草原で行った。内蒙古は広大な草原と原生林を有し、古くから遊牧民による放牧が行われている。近来、過放牧、天候の変動、砂漠化などの影響が見られ、調査地として適した場所である。 現地で以下の手順で調査を行った. 1.現地踏査を行い正式な調査地を設定した. 2.植生調査を行い、種ごとの地上部バイオマスを測定した. 3.地表リターを採集し測定した. 4.土壌断面を作成し土壌の記載を行った.同断面から必要な土壌サンプルを採取する.これを日本に持ち帰り,解析・集計した。 その結果、以下の成果が得られた 1.調査地には、フルンベル草原を踏査した結果、8地点を設定した。 2.フルンベル草原の8地点109箇所に於いて植生調査を行い植生分類した。刈り取り調査を行い生重と乾重を測定した。同時に300点の標本を収集し、フロラリストを作成した。 3.地表リターは、8地点で収集した。現在分析中である。 4.土壌断面8地点に於いて、土壌の物理性と化学性を明らかにした。
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