2004 Fiscal Year Annual Research Report
ネパールにおけるマラリアに対する遺伝的適応の調査研究:文化的適応との対比を通じて
Project/Area Number |
15406009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 茂 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30087150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 馨 神戸大学, 医学部, 教授 (00150061)
白川 卓 神戸大学, 医学部, 助教授 (30171044)
濱野 真二郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70294915)
渡部 幹次 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (70325679)
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Keywords | マラリア / 異常ヘモグロビン症 / α^+サラセミア / G6PD欠損症 / ネパール / マラリア仮説 / 三日熱マラリア / 熱帯熱マラリア |
Research Abstract |
1.現地調査 昨年度と同じカブレパランチョーク郡マハデブスタン村の小中学校で同校の生徒児童に対し2回の調査を実施した。ネパール共産党毛沢東主義派の活動が懸念されたが、とくに大きな問題もなく調査ができた。 (1)第1回調査は、モンスーン季入り前の2004年5月25日〜28日にかけて実施し、185名を登録し、そのほとんどについて検尿と採血をおこなった。あわせてすぐにマラリア感染が確認できるキットによって検査をおこなったが、全部陰性であった。 (2)第2回調査は、モンスーン季あけがちかい、2004年9月13日〜16日に実施し、152名を登録し、そのほとんどについて検尿と採血をおこなった。やはりあわせてすぐにマラリア感染が確認できるキットによる検査をおこなったが全部陰性であった。なお今回は、9月18日と19日には、カトマンズ近郊でおこなわれた、ネパール側共同研究者のトリブバン大学シャルマ助教授の主催するヘルスキャンプに協力し、検尿および採血をおこなった。 2.サンプルの分析 昨年度の2004年2月に、α^+サラセミアのホモ、ヘテロ、健常の住民計8名から採取した赤血球に関するマラリア感染実験を、大阪大学微生物病研究所の三田村助教授に依頼して実施したが、差はみられなかった。 他方、上記2回の調査にくわえ、昨年度の調査でえられたサンプルについて、とくにα^+サラセミアの検査を実施した。この結果を民族別みると、すでにおこなってきた、成人を主とする対象の検査結果とよく一致した。この結果とマラリア感染との関係が注目され、そのDNA診断を実施しているが、陽性の比率はきわめて低い。この点から、子どもの感染率はこれまでの調査結果でも低いが、さらに現在までの3回の調査の実施時期が、マラリア感染率のひくい時期にあたったと考えるに至っている。 一般にネパールのマラリア感染は、モンスーン季を中心とするといわれるが、上記の結果は実態がそれほど単純ではないことを示している。この点から来年度は、現在までの調査でもっとも感染率の高かった、モンスーン季があけた時期(10月)に実施することを予定している。 3.これまで成果の発表 成人を主とするこれまでの調査結果をもとに論文がまとまったので、早急に国際誌に投稿したい。
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Research Products
(3 results)