2004 Fiscal Year Annual Research Report
新型ヒトマラリア原虫とG6PD欠損症の分布に関する分子疫学的研究
Project/Area Number |
15406014
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Research Institution | OITA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
川本 文彦 大分大学, 総合科学研究支援センター, 教授 (40115556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 宏行 大分大学, 医学部, 教授 (00094152)
大塚 靖 大分大学, 医学部, 助手 (00244161)
福田 昌子 大分大学, 総合科学研究支援センター, 助手 (00156788)
北 潔 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90134444)
神戸 俊夫 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50093018)
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Keywords | 国際研究者交流 / ミャンマー:ベトナム:カンボジア:インドネシア:タイ / 新型ヒトマラリア原虫 / G6PD欠損症 / 分子疫学的調査 / 新型四日熱マラリア原虫 / 新型卵形マラリア原虫 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
ミャンマー、ベトナム、カンボジア、インドネシア、タイにおいてマラリアとG6PD欠損症の分子疫学調査を実施した。これらの国から得られた新型四日熱マラリア原虫および新型卵形マラリア原虫の野性株とG6PD欠損症の血液を用いて、分子疫学的解析を行った。 (1)ミャンマーでは、カロー、ピンダヤ、インレー、タトンなどの町から新型四日熱および新型卵形マラリア原虫が多数得られた。G6PD欠損症では、マヒドン型が多く見出された。 (2)インドネシアでは、マウメレ、エンデ、クンダリ、マナドなどの町から新型四日熱マラリアが多数検出された。新型の卵形マラリア原虫は、マウメレにおいて1例が観察された。インドネシアには、6型以上のG6PD欠損症が分布していることを見出した。 (3)カンボジアとベトナムでは多数の新型四日熱マラリアが検出され、ベトナムのランドン省バオロックと同じく、バッタンバンとラッタナキリ州から多数の新型四日熱マラリアが得られた。カンボジアのG6PD欠損症は、全てビエンチャン型であったのに対して、ベトナムでは中国由来の型が多く分布していた。 (4)タイではサンカブリで調査し、いくつかの新型四日熱マラリアと新型卵形マラリアが1例見出された。G6PD欠損症の殆んどは、ビエンチャン型であった。 これらの結果は、新型ヒトマラリア原虫が広く東南アジアに分布していることを示している。また、ビエンチャン型G6PD欠損症がタイとカンボジアに広く分布するのに対して、ミャンマーではマヒドン型が優勢で、ともにインドネシアやベトナムでの分布とも異なっていた。
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Research Products
(6 results)