2004 Fiscal Year Annual Research Report
内臓リーシュマニア症の早期発見・早期治療のための基礎的応用的研究
Project/Area Number |
15406018
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 誠 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90137117)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 英作 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70153187)
橋口 義久 高知大学, 医学部, 教授 (10037385)
|
Keywords | リーシュマニア症 / 免疫診断 / 尿検体 / DAT(直接凝集法) / バングラデシュ |
Research Abstract |
(1)簡便かつ非侵襲性の新たな免疫診断法の開発 ○内臓リーシュマニア症の「尿」診断法としてLeishmania donovaniの染色虫体を用いた直接凝集反応(Direct Agglutination Test,DAT)にenhancing antibodyとして抗ヒトIgGを加えて、尿中の微量の抗体を検出できる尿DAT法を開発した。この方法の感度は90.7%、特異性は96.4%と、以前開発した高感度の尿ELISA法とほぼ同じであった。(Am J Trop Med Hyg 2004)。 ○これに加え、抗ヒトIgGを結合したプレートを用い、尿中の特異抗体を検出する新たな方法(Antibody Capture DAT:AbC-DAT)を開発した(本年度日本熱帯医学会で報告、投稿準備中)。このプレートは常温で保存することが可能であり、現地での使用が容易になるものと期待される。 ○L.donovani promastigoteに対する抗体を用いて、患者尿中に抗原が検出されることがわかった。これを用いた診断法を開発中である。 (2)ELISA法、尿DAT法の流行地への応用と評価 平成15年12月にバングラデシュの内臓リーシュマニア症流行地であるRajshahi Districtにある4つの村の住民より採取した尿952検体を用いて、我々の開発した尿DAT、尿ELISAおよびAbC-DAT方法を検討した。その結果、真の陽性者、陰性者からの検体を用いた場合には各方法ともほぼ同じ高い特異性と感度を示すが、流行地からの検体では、各方法の問に一致しない場合があることがわかった。この不一致の原因を明らかにすること、また早期診断法としての評価のため、平成17年3月に再度この流行地を訪れる。 (3)尿ELISA法改良のためのリコンビナント抗原の作成 有用な診断用抗原になることが推定されたcalreticulinの一部分の組み換えタンパクを作成したが、抗原性は認められなかった。現在、他の部分の組み換えタンパクを作成中である。
|
Research Products
(7 results)