2004 Fiscal Year Annual Research Report
胆嚢がん多発国ハンガリーにおける本症の成因に関する疫学的国際比較研究
Project/Area Number |
15406025
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山本 正治 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40018693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味岡 洋一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80222610)
中平 浩人 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (40217758)
土屋 康雄 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60334679)
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Keywords | 胆嚢がん / ハンガリー / 国際比較 / 疫学 / 症例-対照研究 / CYP1A1遺伝子 / p53遺伝子 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度と同様に、胆のうがんの発症に関する個体要因及び環境要因を明らかにするため、症例対照研究とがん抑制遺伝子並びに遺伝子多型解析を引き続き実施した。平成16年10月には、海外共同研究者であるハンガリー・ブダペスト・ハンガリー国立がん研究所のLang教授とSzentirmay分子病理学部長を当大学に招聘し、研究打ち合わせの会議を開催した(山本、味岡、中平、土屋)。 1.症例対照研究 ハンガリーにおける胆嚢がんの環境要因を明らかにするため症例対照研究を進めている。特に、ハンガリーの食生活、ライフスタイルに関する要因に注目して作成した調査票を配布し、回収中である。胆嚢がん症例は、ハンガリーにおいてがん登録され、主治医が許可した41症例から同意を得、質問票を回収した。性、年齢(±3歳)をマッチングした対照を現在収集中である。同国では、胆のうがん罹患率が高いものの、人口規模が小さいため実際の症例数が少ないことが、予定症例数回収の障害となっている。 2.遺伝子解析 遺伝子解析のため、胆嚢がんのパラフィンブロックを現在までに53試料収集した。 (1)p53遺伝子変異分析 これまで9症例で認められたtransition(G:C→A:T、A:T→G:C)(8/8(100%))及びCpG site(6/8(75%))の変異パターンが、新たなサンプルで認められるか、現在分析中である。ハンガリー胆嚢がんは、これまで本研究者らが報告したチリ胆嚢がんのp53変異パターンと同様であったが、日本人胆嚢がんとは異なる。これらの多国間での胆嚢がんp53変異パターンの違いが、人種に起因するのか、環境因子によるのかは興味ある問題である。 (2)CYP1A1遺伝子多型分析 現在、収集した53試料の遺伝子多型の解明に当たるため、予備実験を行っている。今年度末から本格解析に入る予定である。
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