2005 Fiscal Year Annual Research Report
デデキント圏における情報意味論と関係型プログラミング
Project/Area Number |
15500013
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河原 康雄 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (90091181)
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Keywords | 関係理論 / プログラム意味論 / 関係の基数 / ファジイ理論 / グラフ・マッチング / ネットワークフロー / Dedekind不等式 |
Research Abstract |
今年度は、この研究計画のなかで画期的な成果が得られた。関係の基数の理論と応用についての初めての基礎を確立できたことである。基数(濃度ともいう)は集合の要素の個数を無限集合にまで拡張した概念である。2項関係は直積集合の部分集合であるから基数をもつ。例えば、有向グラフの辺の個数は隣接関係の基数である。従って、関係の基数理論は、グラフ理論の直感的でなく完全に代数的あるいはアルゴリズム的な展開を可能にする。しかしながら、単なる集合の基数については従来色々と知られているが、関係の基数についての研究はなかった。筆者は、関係理論における最も重要な公式であるDedekind公式を解析することにより、関係の基数に関する不等式(Dedekind不等式と命名した)を発見し、Dedekind不等式だけで関係の基数は完全に決定されることを証明した。また、具体的にDedekind不等式の効果を検証するために、グラフのマッチングに関するホールの定理やケーニッヒの定理に関係理論的な別証明を与えた。さらに驚くことに、このDedekind不等式はファジイ関係に対しても成立することを示した。ファジイ関係の基数理論の応用として、輸送問題に関するネットワーク・フロー理論に応用し、非常に簡潔な計算で基本体系が展開出来ることを示した。このように関係の基数理論は、斬新なものであり、Greedyアルゴリズムの理論や回路理論への応用が期待されるものである。 この成果は、今年8月にマンチェスター大学で開催される関係理論国際研究集会に投稿中である。
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Research Products
(1 results)