2003 Fiscal Year Annual Research Report
高階項書換え系にもとづく高階パターン照合を用いたXML変換技術
Project/Area Number |
15500014
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
鈴木 大郎 会津大学, コンピュータ理工学部, 講師 (90272179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥居 哲 中部大学, 工学部, 助教授 (00283515)
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Keywords | XML / 変換技術 / 二階のパターン照合 / 高階ナローイング |
Research Abstract |
XML文書に対して用いるパターン照合のクラスとして,どのようなものが適当か検討を行った.XML文書では,要素タグ(λ式の関数記号に相当)の子要素の数(関数記号の引数個数に相当)が不定でもよいが,これは一般的なパターン照合で用いられる単純型付きλ計算の体系では扱いづらい.これを解決するために,以下の二つの方式を考案した.一つ目は,型無しλ計算の体系を用いるが,得られる代入が型付きλ計算における二階の項に対応するような構文的な制限を加えるという方式である.この方式は,DTDやXMLスキーマにより与えられる型の情報を利用できないので,XSLTと同様に,変換後のXML文書が型に関して正しいことを保障できなくなる.その一方で,通常のλ式の理論が使えるという利点がある. 二つ目は,二階の型付きλ式に多相型の列型の項を取り入れるという方式である.引数個数が定まらない関数記号はあらかじめわかっているので,それらを列を引数にとる一引数の関数記号として扱う.この方式では,型情報を利用できるので変換後のXML文書が型の制約をみたすようにできる.また,列型の項だけに限定した多相型と併用することで,パターン照合をXML文書から部分的な構造を抽出するのにより適したものにできるという利点がある.しかし,列や多相型の導入により理論的な扱いは一つ目の方式より難しくなる.現在は,これら二つの方式の定式化と理論的性質の解明を行っている.来年度も引き続きこの作業を行い,各方式に基づく変換方法を明確にしていく. また,高階ナローイングの新たな定式化を行った.ナローイングは書換えの一般化であるため,本研究課題であるXMLの変換にとっても重要な技術である.特にXMLの逆変換に関する応用が期待される.来年度は,高階ナローイングを用いたXMLの逆変換についても研究を行う予定である.
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Research Products
(1 results)