2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500016
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
近藤 通朗 東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (40211916)
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Keywords | bilattice / 不動点意味論 / 様相演算子 / t-norm / BCK-代数 |
Research Abstract |
否定を持つ論理プログラムにおいては,そのままでは最小不動点を用いた意味論を与えることはできない.それは否定を導入したために単調写像ではなくなり,Kleene-Tarskiの不動点定理が成り立たず,不動点が存在しない.これを解決するために,否定演算が単調となるようにもとの順序とは異なる新たな順序を入れ(この結果2つの順序をもつ),この順序についての最小不動点を用いる意味論が考えられた.この意味論を代数的に表現すると,interlaced bilatticeとよばれる代数系となるが,これは束の直積に相当するものに和や積,否定などの演算を定義した代数系と考えられる.この代数系の性質を考察する際に,束の直積ではなくさらに弱い順序集合の直積としてとらえ(否定演算は含意演算から得られるため)含意演算を導入して考察することで,より一般的な性質を調べた.ここでの含意演算は,積のRight Adjointとして導入した.このようにRight Adjointとして導入されるものは,Fuzzy論理との関連からt-normと呼ばれる.本研究ではt-normを持つ順序集合が,有界で条件(S)を満たすBCK-代数と一致することを示した(現在投稿中). また,t-normをもつ順序集合の研究に関して,これにいくつかの条件を追加したものが,lattice implication algebraとよばれ研究されていたが,この代数系もcommutative bounded BCK-代数とよばれるものと一致することを示し,IEEE 34^<th> International Symposium on Multi-valued Logicで発表した.この結果により,lattice implication algebra全体の集合はMV代数と一致することもわかり,この代数系が特徴づけられた. その後,interlaced bilatticeにさらに演算を追加した体系について研究を行っている.これはプログラムにさらに新しい演算を追加したものに対応するが,この演算がいわゆる様相演算子の場合にどのような意味論すなわち,代数の特徴付けができるか?という問題について研究を行っている.
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Research Products
(4 results)