2003 Fiscal Year Annual Research Report
触覚の共有を可能にするネットワーク共有仮想空間システムの構築
Project/Area Number |
15500058
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
藤田 欣也 東京農工大学, 工学部, 教授 (30209051)
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Keywords | 人工現実感 / 触覚 / 力覚 / 遠隔共有 / 仮想空間 |
Research Abstract |
1.本研究課題の目的 本研究課題は,従来の遠隔空間共有システムが人間の五感のうち視覚や聴覚のみに依存しているという問題に対し,触覚の遠隔共有を可能とするシステムを構築することを目的とする.研究の第一段階では,これまでの人間の触知覚特性果に関する研究成果を踏まえ,物体に触れたときの反力を提示するとともに,指先の押しつけ力をもとに指先接触面積を制御することによって,「柔らかさ提示システム」を開発する.第2段階では,ユーザの指先にセンサを装着して対象物の特性を計測し,ヤング率などの実時間パラメータ推定をおこなう伝送する「高速触覚サーバ」を構築する.この一連の研究によって遠隔触診や触れるWEBなどを実現することを目標とする. 2.実施内容と成果 平成15年度は,研究の第一段階として,指先接触面積制御を行う触覚ディスプレイとグローブ型の力覚提示装置を統合し,把持動作に対する物体の柔らかさを表現可能な力触覚ディスプレイを開発した.さらに,接触面積計算にヘルツ理論を用いることで,表現する柔軟弾性物体の接触面積変化特性の事前計測を不要とするとともに,パラメータ伝送による触覚伝送の可能性を拓いた.さらに,心理物理実験による評価をおこない,力覚提示のみよりも正確な柔らかさ感覚を表現可能であることを確認するとともに,従来,力覚提示装置単体では不可能であった,パッシブタッチでの柔らかさ感覚を表現可能であることを示した.(日本VR学会論文誌9-2) 3.まとめと今後の課題 人間の柔らかさ知覚機構に関する研究成果を利用して,指先接触面積制御および力覚提示による柔らかさ提示システムを試作し,その有効性を実験的に示した.さらに,ヘルツ理論を用いることで,高速触覚サーバ構築と触覚ネットワーク伝送の可能性を拓いた.平成16年度は,柔らかさ計測システムおよび高速触覚サーバを構築し,触覚の遠隔共有を可能とする計画である.
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Research Products
(1 results)