2004 Fiscal Year Annual Research Report
触覚の共有を可能にするネットワーク共有仮想空間システムの構築
Project/Area Number |
15500058
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Research Institution | National University Corporation Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
藤田 欣也 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (30209051)
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Keywords | 人工現実感 / 触覚 / 力覚 / 遠隔共有 / 仮想空間 |
Research Abstract |
本研究課題では,前科研費研究課題での研究成果である,人間の柔らかさ知覚のためのつまみ動作の法則性にもとづく,指先の接触面積を制御する柔らかさ提示装置,ならび高速ネットワークの普及を背景に,弾性物体の柔らかさ感覚の呈示装置ならびに遠隔共有の可能性を検討することを目的に,装置開発と評価実験をおこなった. 研究は,まず,指先の接触面積と反力を同時に制御することで,弾性柔軟物体に触れた時の指先の接触面積をヘルツ理論に基づいて算出し,ゴム膜によって構成される空気圧式指先接触面積制御装置を用いて接触面積を制御する,と同時にモータを用いて指先への反力を制御する,柔らかさ呈示装置の開発をおこなった(日本バーチャルリアリティ学会論文誌2004).他方,視覚情報と反力を伝送し提示する方法による受動的弾性感覚共有システムの開発を行い,遠隔ユーザが弾性感覚を共有し,弾性係数の相違を識別可能であることを確認した.さらに,指先の変位と反力をポテンショメータと荷重センサで計測し,ユーザが弾性柔軟物を把持した時に,実時間でヤング率と大きさを推定するアルゴリズムを検討し,上記の柔らかさ呈示装置と組み合わせて柔らかさの遠隔共有システムを構築し,実験的にその効果を実証した.(国際会議発表,投稿準備中). 以上のように,本研究課題では弾性柔軟物体の呈示装置を開発し,さらに,送信側ではヤング率と大きさをリアルタイムに推定し送信し,受信側では反力と接触面積を呈示する,能動的把持が可能な柔らかさ伝達システムを試作し,その有効性を示した.送信ユーザの触覚を阻害しない柔らかさ感覚共有システムの開発が今後の課題である.
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Research Products
(1 results)