2003 Fiscal Year Annual Research Report
認知科学的手法による実時間自律分散協調システムの研究
Project/Area Number |
15500085
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
竹内 郁雄 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90293109)
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Keywords | 実時間 / 分散協調 / マルチエージェントシステム / ロボカップ / ロボカップレスキュー / 認知科学的手法 |
Research Abstract |
実時間で自律分散協調を行うエージェントを認知科学的な手法で再構築する研究を進めた.研究テストベッドにはRoboCupのシミュレーションリーグと,RoboCupRescueシミュレーションを用いた. サッカーについては,相手の行動を時系列理解する手法を導入し,ある程度相手の行動意図を推し量りながら守備をすることが可能になった.また,自分の行動履歴から自分の行動自体を時系列理解することが可能になり,単なる殺那的・反射的でない戦術的な行動ができるようになった. レスキューについては,時々刻々変化する災害状況から生じる複雑なタスクに対して,エージェントが高度に動的なチーム形成・変更・離散を行なうメカニズムを開拓した.従来のチーム形成手法と比較実験をした結果,我々の手法がより高い効率を得られることがわかった. さらにレスキューでは,一部のエージェントの行動を人間が指令するようなGUIを備えたシステムを開発した.これにより,不完全情報下で人間がどのような意思決定をするかをゲーミング手法で調べることが可能になった.このシステムをRoboCup Human Leagueとして提唱することと考えている. 研究評価の場となる2003年のRoboCup世界大会では,勝負に拘ることより,上記のような認知科学的手法の導入を試みている途中段階だったため,サッカーは惜しいところで予選落ちした.これはある程度やむを得ない手戻りである.レスキューは(上記の研究成果が入っていない段階で)参加17チームの中で準優勝を修め,エージェントの協調がその時点でも世界トップレベルであることを証明した.
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