2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳に範をとる記号処理システム-文法の処理と獲得の統一モデル-
Project/Area Number |
15500095
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
櫻井 彰人 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00303339)
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Keywords | 神経回路網モデル / 再帰型神経回路網 / 文法学習 |
Research Abstract |
言語行為によるコミュニケーションの目的を、脳内知識の伝達にあるとし、それに適した言語構造、構文構造、解析アルゴリズムを探求した。様々な試行錯誤の結果、有限状態オートマトンを脳内知識の表現手段とし、LR(1)言語を伝達する手段とするのが有力な候補であるとの結論を得た。有限状態オートマトンは、脳内知識を表現する手段としては十分強力であるが、それを伝達することは一般に不可能である。そこで、近似的に、しかも、比較的短い時間で伝達する手法を検討した。一つの方法として強化学習を用いる手法を検討し、実行可能であることを示した。 知識構造を伝達するには、不十分な情報に基づき構造を再構築する必要がある。そのためには、伝達に用いる具体的な表現(自然言語の単語に相当する)から、範疇(自然言語の文法範疇、意味範疇、概念に相当する)を推測する必要がある。本研究においては、範疇候補を数多く用意し、それらを知識伝達に試用し、その中から最適なものを発見する方法を考案した。再帰型神経回路網を用いた数値シミュレーションの結果、学習誤差に着目するのみで、もとの文法範疇(またはその細分)が再構築できることが確認できた。今後は、本来あるべき、構造に対するペナルティ項を検討する。 FrameNetコーパスを用いた意味構造獲得実験を行い、特に、意味と構文とをブートストラップ学習させると、より推定精度が向上することが確認された。
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Research Products
(3 results)