2003 Fiscal Year Annual Research Report
JPEG画像の画質改善および焦点ずれJPEG画像の復元に関する研究
Project/Area Number |
15500109
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤田 和弘 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (90209049)
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Keywords | ブロッキング・アーティファクト / モスキート・ノイズ / 離散ブロックコサイン変換 / JPEG画像 / 劣化画像復元 |
Research Abstract |
今年度の研究計画に従い,劣化画像復元法を応用したJPEG画像における画質劣化の低減の理論研究を行いました.その結果,離散ブロックコサイン変換領域でのJPEG画像と鮮明化画像との量子化誤差を考慮した誤差評価と,エッジの位置と方向性を考慮した空間領域での鮮明化画像のなめらかさの評価とを取り入れた鮮明化画像に対する評価値の最適化問題として,鮮明化を定式化しました.具体的な鮮明化処理としては,その最適にすべき評価関数の最大値を,反復処理を用いて探索することになります. その定式化に基づいて,計算機実験を行い,定量的な評価としては,Lena画像(256×256画素,8bit)に対して,さまざまなビットレートで,PSNRとして0.6〜0.8[dB]程度の改善が行えることを確認しました.定性的な評価としては,低ビットレート時に発生するブロッキング・アーティファクトやモスキート・ノイズを,エッジの過剰な平滑化を行うことなく,低減できることがわかりました.これは,鮮明化処理において,単にブロックごとに処理を行うのではなく,エッジの連続性などブロックを越えた画像の性質を用いていることが,よい影響を与えたと考えます. 理論研究結果と計算機シミュレーション結果について,平成15年11月に,日本鑑識科学技術学会学術集会と電気関係学会関西支部連合大会にて,口頭発表を行いました.現在は,それらの結果を論文としてまとめ,論文投稿準備を行っています.
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