Research Abstract |
機械等を操作する場合,人によりその制御特性は大きく異なる可能性があり,システムの安全性,快適性等を考えると,これら個々の人間の特性を明確に把握することにより,トータルシステムの性能を向上させられる可能性がある.知的HMIを考える場合,そのように人間の特性を計測し,個々の人間に合ったシステムに作り替えるという適応性が必要となる.このため,人間の制御動作を計測し,そこから制御動作を同定して,システムに還元するためには,その解析手法を明確化する必要がある.そのような手法を用いることにより,知的ヒューマン・マシン・インターフェイスを構築が可能となる. そこで,本年度はこのような目的に合致した人間の制御動作モデル構築を行なった.対象を自動車とし,これを運転する人間の特性に注目し,ドライビングシミュレータを用いた実験結果より,どのような制御動作を表現することにより,人間の制御動作が的確に表現できるかについて検討を行った.この結果通常熟練したドライバは,道路形状を用いたフィードフォワード項を操舵主成分として使用しており,これにフィードバック項を,加えて操縦していることを示した.次にこれらを表現するドライバモデルの構築を行なった.また,これら構築した制御変数が個々の人間により異なっている事を示した.これらの結果をさらに検討した結果,これら制御変数を使用すると,個々の人間を評価することができることを明らかにした.なお,以上の結果は,知的HMI構築にとって,非常に重要な手法となる.
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