2004 Fiscal Year Annual Research Report
直交行列の数値最適化問題の新解法とブラインド信号分離問題への応用に関する研究
Project/Area Number |
15500129
|
Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
山田 功 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50230446)
|
Keywords | Orthogonal matrix / Semi-orthogonal matrix / Dual-Cayley Parametrization / Reduced Rank matrix / Low-rank linear estimator / Adaptive projected subgradient method / Blind interference reduction / Stereo acoustic echo canceling |
Research Abstract |
信号処理、統計的推定理論の2つの重要な未解決問題が、直交行列あるいは準直交行列に関する最適化問題に帰着されることを明らかにするとともにこれを解決するアルゴリズムを提案している。 1.「St(N,N)(N×N直交行列全体の集合)上の行列最適化問題とブラインド信号源分離への応用」 "ブラインド信号分離問題(統計的に独立な複数信号の合成結果から独立成分を分離推定する問題)"と"行列の同時対角化問題"(複数の行列を共通の直交行列によって対角化する問題)の関係が知られている。これまでの代表的な方法はSt(N,N)を局所的に近似するパラメータ空間で、降下方向を算出し、これを補正した情報を利用しており、理想的な降下型アルゴリズムを実現していない。本研究では、まず、Dual Cayley変換を提案し、St(N,N)の稠密な部分集合上で、2つのR^{N(N-1)/2}によって完全にパラメータ表現できることを示している。次に、このパラメータ表現を用いることにより、St(N,N)上の行列最適化問題が、制約のない2つの最適化問題に帰着できることを示し、多くの標準的な降下型アルゴリズムが直接利用できることを明らかにしている。 2.「低階数行列の2次関数最小化問題と統計的推定理論への応用」 ガウス・マルコフ型のパラメータの線形推定問題でモデルの係数行列がill-conditionとなるとき、線形推定システムの係数行列のランクを抑えることにより、推定誤差の分散が小さくなる事実(Marquardt1970)に注目し、バイアスを最小とする低階数線形推定システムの中で推定誤差分散を最小にする最良低階数線形推定システムを与えている。まず、バイアスを最小とする低階数線形推定システム全体の集合が準直交行列を用いてパラメータ表現可能できることを示し、これを最適化することにより、最良低階数線形推定システムを陽に与えることに成功している。 「その他」 1に関連した研究課題の1つとしてDS/CDMAの適応ブラインド干渉消去問題とステレオ音響エコー消去問題を検討している。
|
Research Products
(6 results)