脳波からの感性情報抽出とα波の伝播挙動の解明に関する研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15500135
• Research Institution: Toyohashi University of Technology
• Principal Investigator: 堀畑 聡 豊橋技術科学大学, 工学部, 講師 (20238801)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 佐治 量哉 豊橋技術科学大学, 工学教育国際協力研究センター, 研究機関研究員 ; 安田 好文 豊橋技術科学大学, 体育/保健センター, 教授 (70126952)
• Keywords: 脳波 / 感性情報 / α波 / 時間-周波数解析 / ウェーブレット変換 / 痴呆診断 / 感性評価 / リラクゼーション効果

Research Abstract

1.脳波データのウェーブレット変換による痴呆診断
本研究では,ウェーブレット変換による脳波信号の解析から時間と周波数の2次元分布を求め,そこから特徴量を抽出することで感性の診断を行う。本年度においては人の快と不快に関するする感性評価システムの構築を試みる。これまでの研究からウェーブレット解析を用いた場合,2種類の波形の違いを定性的・定量的に判断できる可能性を示すことができた。具体的には実信号ウェーブレット解析を痴呆診断に適用して定性的及び定量的な診断の可能性を示した。
2.音楽刺激下での脳波の時間-周波数解析によるリラクゼーション効果の評価
現在、音楽療法やアロマテラピーなどによるストレスの緩和のための感性療法が試みられている。しかし、そのリラクゼーション効果の定量的評価を行うことは容易ではない。本研究では人の快と不快に関するする感性評価システムの構築の試みとして、音楽療法に注目し,癒し系音楽を聞いているときの脳波データ解析から快・不快評価を試みる。この解析手順は脳波データの時間-周波数解析を行い、得られたパワースペクトルからそれぞれの時刻でのθ波,α波,β波などのエネルギーの割合を求め,その割合の時間変動により快・不快評価を行う。その結果、θ波、α波、β波の時間的なパワースペクトル比の変動を見ることでリラクゼーション効果のモニタリングと定性的評価が可能であることを示すことができた。このシステムの構築により、医療福祉における重病患者の意思伝達支援,遠隔走査によるリハビリ運動者の精神状態の管理,車椅子などの乗り心地の評価などの適用が考えられる。

Research Products

• [Publications] 堀畑聡, 石光俊介, 三宅哲夫: "実測信号をAWに適用したウェーブレットによる脳波解析"日本機械学会論文誌掲載決定. (2004)
• [Publications] 岩本明峰, 堀畑聡, 三宅哲夫, 安田好文, 吉川優: "音楽刺激による脳波の時間-周波数解析-リラクゼーションの評価-"日本機械学会東海支部第53期総会講演会講演論文集. No.043-1. 181-182 (2004)