2004 Fiscal Year Annual Research Report
マスキング効果によるスピーチ・プライバシー保護装置の開発と試作
Project/Area Number |
15500138
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山口 静馬 山口大学, 工学部, 教授 (80243624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 徹郎 山口大学, 工学部, 助手 (40249595)
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Keywords | スピーチ・プライバシー / マスキング / 会話音声 / 無意味雑音 / 加齢による聴力劣化 / 遮音システム / スロートマイクロホン |
Research Abstract |
小規模診療所の待合室付近での問診、税務署窓口での納税相談、学校の教室での学習進路相談、仮設ブースでの法律相談など、当事者以外の人が周辺に居合わす開放的な空間におけるスピーチ・プライバシーの保護が重要となることがしばしばある。当事者同志の会話音声を無意味又は有意味雑音でマスクすると同時に、当事者同志の間に接続された特殊なマイクロホン(話者の咽喉部の振動信号を利用したマイクロホンでスロートマイクロホンと呼ばれている)・加齢による聴力劣化に関する周波数特性を補正する機能を有するアンプ・密閉型ヘッドホンを使用することによって、現状のままの開放的空間においてスピーチ・プライバシーを確保するための装置を設計・試作することが本研究の目的である。本年度の研究成果は以下の3項目である。 1.人間の加齢によって聴覚の周波数特性がどのように劣化するかを国内外の文献によって調査した。年齢を20歳から80歳までの10歳間隔で区切り、各年齢層における聴覚の劣化に関する周波数特性を決定した。これは、年齢層別の聴覚劣化に関する周波数特性を補正する機能を有するアンプの設計指針となる。 2.間仕切り等の遮音システムの周波数特性とスピーチ・プライバシー評価の関連性について考察した。スピーチ・プライバシー保護装置を用いることにより大がかりな遮音システムは必要とせず、簡単に目的が達成できることが見込まれることから、本装置は多方面で威力を発揮するものと期待できる。 3.無意味雑音を簡単に放射するための雑音発生装置を試作し、スロートマイクロホン・アンプ・密閉型ヘッドホンと組み合わせて一連のスピーチ・プライバシー保護装置を構築した。構築した装置の有効性を基礎的見地から検証するため、室内音響心理実験を実施した。その結果、本装置の有効性が確認された。
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Research Products
(5 results)