2004 Fiscal Year Annual Research Report
テクスト理解過程にみる概念化の認知語用論的研究とその現象学的考察
Project/Area Number |
15500169
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
廣瀬 恵子 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (40145719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 勇 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (90182039)
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Keywords | 概念化 / テクスト理解過程 / テクスト産出過程 / 第二言語 / 関係性と比較 / 実体と属性 / 認知言語学 |
Research Abstract |
研究代表者廣瀬は、昨年度行った概念化とテクスト産出過程に関する研究結果を論文にまとめた。これは、第一言語(L1)と第二言語(L2)の文章産出プロセスを発話プロトコルデータを基に分析した実証研究で、L1及びL2のテクスト産出プロセスの類似点と相違点を明らかにしようとしたものである。L2テクスト産出プロセスの特徴としては、概念化プロセスにおけるL1の介在があげられた。この場合のL1使用は、書き手のL2言語能力によって、質的、量的な違いがあることが示唆された。 分担者宮原は、今年度はLakoffと並んで認知言語学のパイオニアであるLangackerの理論の哲学的考察をおこない、その成果を京都大学大学院人間環境学研究科の山梨正明氏が主催するKLC研究会にて研究発表した。まず、Lakoff、Langackerらの反チョムスキー派の認知言語学の哲学的特徴を「反-客観主義」、「身体性」、「経験基盤主義」の三点から捉え、さらにLangackerのFoundations of Cognitive Grammar Vol.1の「哲学的インプリケーション」を分析している。それによると、認知言語学の「存在論」、つまり物事の存在形態はどのようになっているか、という理論面では、アリストテレス以来の<実体-属性>という図式が崩され、属性は関係性へと解消されていく方向にあると指摘されている。これは、品詞で言えば形容詞の機能に関わる問題であり、形容詞は従来は実体の属性、ないしは性質を表現する品詞であるとされたが、性質ということ自体、あるドメインの内部での「比較」によって生ずる概念であるという。このような存在論と現象学者フッサールの理論とつきあわせることで、両者の特徴を浮き彫りにし、認知言語学が密かに持っている独自な存在論を哲学の場面で生かすにはどうしたらいいかを考究した。
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Research Products
(3 results)