2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500183
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
高橋 一 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70154838)
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Keywords | 統計的汎関数 / 有限母集団 / 金利スプレッド / Duffie-Singleton モデル |
Research Abstract |
今年度は以下の2分野での研究実績がおもなものである。 I.有限標本空間に於ける統計的汎関数のエッヂワース展開 有限母集団上での統計的汎関数の理論はまだ未解決の分野である。本研究では有限母集団上でのM推定量等の漸近的性質を調べる為にVon Mieses Typeの統計的汎関数の性質を研究した。その一部は"On Normal Approximation for the Statistical Functionals in Finite Population"(with Motoyama)Dec. 2003 Manuscriptにまとめてある。 II.金利スプレッドの理論モデルについて 1年以内にトリプルAの企業が倒産する可能性は殆どゼロに近い。また、日本国国債と、例えばトヨタ自動車の社債を比べた場合、信用度は豊田の方が上であろう。国には課税権があるからといって国債がdefault freeであると考えることはもはや出来ない。そこで、トリプルAの社債と国債との金利スプレッドは信用度ではなく流動性に求めることが合理的である。Duffie and Singleton(1999)では信用スプレッドの理論モデルを導出し、その後に流動性スプレッド説明の為の項を天下り的に導入している。今年度は彼らの方法に基づき流動性に基づくスプレッドを説明するモデルをきちんと導出した。実証面では、昨年来研究代表者と大学院生で格付別の社債のイールドカーブの推定を行った。その結果各格付で社債の利回りの期間構造は全体としては巷間言われれているよりも効率的であることが示された。
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