2005 Fiscal Year Annual Research Report
情報論的ダイバージェンスによる各種新しい信号・画像解析法の提案
Project/Area Number |
15500191
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
吉川 昭 近畿大学, 生物理工学部, 研究員 (30075329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 久 近畿大学, 生物理工学部, 助教授 (50278735)
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Keywords | 情報理論 / 最適闘値 / 画像解析 / 誤り率 / 相互情報量 / ダイバージェンス / ヒストグラム / 混合分布 |
Research Abstract |
1.従来、情報論的画像閾値決定にはKittlerらの最小誤り率法(MEPC)が用いられてきた。これは画像濃度分布(ヒストグラム)の分割点を総当たりし、最小ダイバージェンス基準(MDC)により画像濃度分布に最適な混合分布を当てはめ、そのときの最適分割点を最適閾値とするものである。この方法には、1)MDCにより最適混合分布を定め、2)求まった最適混合分布にMEPCを適用して最適閾値を決める、なる2つのプロセスが隠されている。ところが実際のKittlerらの方法は1)の最適分布を求める際の最適分割点をそのまま最適閾値とするものであり、MEPC法というよりMDC分割法と言うべきである。そこで本研究では、上記1)、2)の手順を厳密に踏む方法を提案した。 2.さらに本研究では、1)の最適分布を求めるMDCの代わりに最大相互情報量基準(MMIC)を、2)の閾値決定のためのMEPCの代わりにやはり最大情報量基準(MMIC)を提案した。1)の最大相互情報量とは推定分布とヒストグラムが共有する情報量を最大にするという意味であり、2)のそれは、閾値により分割されるクラスと、混合分布により表現されるクラスが共有する情報量を最大にするという意味を持つ。このため単なるダイバージェンスや誤り率基準より、データが含む情報をより多く利用したものとも言える。 3.各基準の能力を比較するため、シミュレーションを行いいくつかの検定を行った結果、1つの検定結果を除き、1)にはMMICを、2)にはMEPCを組み合わせて用いるのが良いという結果を得た。ただ一つの例外結果はMDCとMMICの組み合わせを支持するものであった。
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Research Products
(9 results)