2005 Fiscal Year Annual Research Report
確率場分布理論におけるオイラー標数法の基礎付けと実用化およびその応用に関する研究
Project/Area Number |
15500194
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
栗木 哲 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 教授 (90195545)
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Keywords | 多重比較 / QTL解析 / 大偏差型近似 |
Research Abstract |
オイラー標数法(Euler characteristic heuristic)とは,確率場X(t),t∈Iの最大値の分布Pr(max X(t)>a)を近似するための実用的な方法である.とくに各tに対してX(t)が検定統計量を意味するときは,最大値の上側確率は多重比較における多重性調整p値に対応することになり,偽の発見確率の評価のための重要な量となる.本年度はオイラー標数法の応用として,ゲノムデータ解析に関連した次のことを行った. (i)イネの致死遺伝子の探索問題や,QTL(量的形質遺伝子座)解析において,多重検定の有意性を調整する方法を検討した.ロッドスコア(検定統計量)はカイ2乗確率過程(確率場)と捉えることができるが,その確率構造を決定する相関関数は一般には複雑である.本研究では,オイラー標数法に基づいて,ロッドスコアのp値の多重性調整(閾値設定)を簡便に行う方法について検討した. (ii)(i)で扱ったような遺伝子探索問題において,2つの遺伝子座の相互作用(エピスタシス)を検出するためには,2つの添字を持ったカイ2乗確率確率場を取り扱う必要がある.とくにマーカー間隔が小さい場合には,連鎖によって,その確率場は多くの場合に直積型Ornstein-Uhlenbeck相関構造を持つカイ2乗確率場(正規確率場の2乗)となる.本研究では,マーカーが等間隔であるという近似の下で,確率場の最大値の分布(すなわち多重性調整p値)の大偏差型の近似を与え,その近似が十分に実用的であることを数値的に確認した.
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Research Products
(1 results)