2004 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム流入を司る受容体・チャネルとカルシウム結合蛋白の相互制御メカニズム
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15500223
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
岡戸 晴生 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (60221842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 昭子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (60142155)
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Keywords | カルシウム透過型AMPA受容体 / CalbindinD28k / NMDA受容体 / カルシウム結合蛋白 / paravalbumin |
Research Abstract |
われわれはカルシウム透過型AMPA、受容体とカルシウム結合蛋白であるcalbindinnD28kが共存し、機能相関があることを明らかにしつつある。一方、カルシウム透過型AMPA受容体のほかにもカルシウム流入経路としてNMDA受容体や膜電位依存性Caチャネルがあり、それらについても検討した。 (1)Cos細胞にNMDA受容体(NR1,NR2B)をGFPあるいはCalbindinD28kと共発現させ、数日後にビオチンを添加し、細胞膜タンパクをラベルする。ストレプトアビジンビーズでビオチン化蛋白単離し、ウエスタンブロットにて、NR2Bサブユニットを抗体で検出したところ、calbindinnD28kの共存によってNR2Bの膜発現が増加した。この効果はNMDA受容体のアンタゴニストであるAPVで部分的に、MK801によってほぼ完全になくなった。従ってcalbindinnD28kはカルシウム透過型AMPAへ受容体のみではなくNMDA受容体についても、膜表面発現を促進することが明らかとなった。膜電位依存性Caチャネルについては、今後検討する予定である。 (2)CalbindinD28kの作用メカニズムを明らかにするために、同じカルシウム緩衝作用のあるBAPTAを細胞内にAM体をもちいて導入したところ、カルシウム透過型AMPA受容体サブユニットGluR1の膜表面発現が増加した。従って、CalbindinD28kの作用はそのカルシウム緩衝作用にあることが示唆される。 (3)CalbindinD28kとともにカルシウム緩衝作用のあるparvalbuminに関しても検討したが、GluR1の細胞膜表面発現促進作用は見出されなかった。これはparvalbuminの発現が充分でなかったためである可能性があり、今後さらに検討する予定である。
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Research Products
(4 results)