2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500230
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
黒岩 俊彦 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (80129832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 一郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90182518)
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Keywords | 脳虚血 / 脳梗塞 / 選択的神経細胞死 / 神経脱落症状 / MRI |
Research Abstract |
粘膜耐性誘導による脳血管内皮の免疫反応抑制を介した脳梗塞予防の可能性が最近明らかになった。本研究ではその機序解明と治療効果判定に不可欠な神経脱落症状の定量的な評価法、およびMRI画像法による病巣の早期の正確な検出法の確立を行なった。 本年度の研究内容は以下のとおりである。脳虚血はスナネズミなどを用い自家血血栓動脈内注入法あるいは総頚動脈一過性閉塞法を用いて発症させた。血栓性脳梗塞では血栓の散布部位により多彩な神経症状が起きることが知られており、各症状ごとの症状と対応する病巣の治療効果の判定が不可欠となる。そのため運動野、体性知覚野、視覚領、海馬錐体層別の梗塞巣と症状の対応にっき検討した。その結果各神経脱落症状と責任病巣の大きさには有意の相関が認められることを明らかにした。更に錐体外路症状の程度と責任病巣である尾状核の梗塞サイズにも有意な相関を認めた。 更にヒト神経幹細胞移植による神経脱落症状改善効果と梗塞巣縮小効果についても検討を行った。脳梗塞は拡散強調画像法でモニター可能であり血栓子の縮小断片化に伴った病巣サイズの変動と病巣部位の血流末梢部への移動が検出可能であった。またMRI拡散係数値画像は従来組織の可逆性・不可逆性の指標となりうるとの指摘があるが虚血急性期に低下した拡散係数値が正常化した場合も組織は不可逆的損傷を受けている場合が観察された。 脳虚血は予防的治療が効果や医療経費の面から重要である。簡便で特異性のある予防的治療法の開発は従来の脳梗塞治療を一変する可能性がある。粘膜耐性誘導を含め今後予防法の開発研究が一層重要になると考えられた。
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Research Products
(7 results)