2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500241
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
西森 利数 宮崎大学, 医学部, 教授 (20112211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 康 宮崎大学, 医学部, 教授 (20212897)
池田 哲也 宮崎大学, 医学部, 助教授 (20264369)
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Keywords | ドーパミン / FOSタンパク / 免疫組織化学 / 機械的侵害刺激 / 脊髄 / 線条体 |
Research Abstract |
ラットを用いて、片側の黒質ドーパミン細胞を破壊するために、内側前脳束に6ハイドロキシドーパミン(6-OHHD)を微量注入し、メタアンフェタミン誘起回転運動と黒質及び黒質ドーパミン産生細胞が主に投射する線条体における陽性反応を指標として、黒質ドーパミン細胞の破壊の有無を推測した。その結果、メタアンフェタミン注射により誘起される回転数が対照群(ほとんどゼロ)に比べて有意に増加した群では、免疫組織化学によるこれらの部位における反応性が減少していた。次に、メタアンフェタミン処理により対照群より回転数が有意に増加したラットだけを用いて、破壊側およびその反対側の足底に機械的刺激を与え、足引っ込め反射が生じるまでの時間を計測した。その結果、破壊側に対する機械的刺激による足引っ込め反射を生じるまでの時間は対照群に比べて短くなった。この結果は黒質ドーパミン産生細胞を破壊すると、機械的刺激に対する反応性が亢進することを示唆し、そのことを論文として報告した。これまでの神経行動学的実験の結果は、ドーパミンが機械的刺激に対する反応性に関連することを示唆しているが、機械的侵害刺激により誘発される痛覚系との関連に関しては明確でない。そこでこの関係を明確にするため、黒質ドーパミン産生細胞を破壊した群と対照群ラットの足底に機械的侵害刺激与え、侵害刺激により誘発されるFOSタンパク質の発現を免疫組織化学的手法を用いて脊髄及び黒質ドーパミンの投射部位である線条体で観察し、ドーパミンと痛覚系の関係について検討した。本実験で検討した脊髄及び線条体のどちらの部位においても機械的侵害刺激により誘発されるFOS陽性細胞数に違いは認められなかった。このことはドーパミンと痛覚系の関係には脊髄や線条体以外の部位が関与していることを示唆している。
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Research Products
(2 results)