2003 Fiscal Year Annual Research Report
内臓反射に関わる、延髄・脊髄内神経回路の発達とリモデリングの解析
Project/Area Number |
15500244
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
船越 健悟 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60291572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 真人 横浜市立大学, 医学部, 助手 (50237351)
跡部 好敏 横浜市立大学, 医学部, 助手 (60264602)
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Keywords | 排尿反射 / カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP) / 交感節前細胞 / 副交感節前細胞 / 後根神経節 / 爬虫類 / 赤外線感覚 |
Research Abstract |
今年度は内臓反射に関わると考えられる神経回路の形成過程を形態学的に明らかにすることを主たる目的として研究を行った。 哺乳類の後根神経節(DRG)の一次知覚ニューロンのうち、無髄線維や細い有髄線維をもつものには、サブスタンスP(SP)やCGRPといった神経ペプチドを含有するものがある。今回の研究により、マウスのDRGでは胎生15-16日(E15-16)までにこれらのペプチドが発現すること、また、E16までに、CGRPを含む一次求心性線維が腰髄CA領域および仙髄IML領域に到達することを確認した。このような神経線維のなかには、一部ではあるが、交感節前細胞と副交感節前細胞の細胞体に近接し、細胞体のまわりを取り囲むように終末をつくっているものがみられた。こうした終末は出生前後にかけて著しく増加していた。これらのことから、マウスでは排尿反射など内臓反射に関わるシステムの構造的基盤が胎生期につくられていることが示唆された。現在、胎生期・新生期の内臓反射に関係すると考えられる一次求心性線維の性質をさらに詳しく調べるために、TRPV1などの受容体の発現過程についても調べている。 系統発生学的な立場からは、マムシの顔面神経系の関与する内臓反射システムを探った。顔面神経求心性線維で、延髄の節前細胞の細胞体に直接入力するものは確認できなかった。一方、顔面神経の臓性運動核では樹状突起が赤外線知覚の二次中継核である熱核にまで伸びているものが確認された。このことは、熱核を介する体性臓性反射システムが機能している可能性を示唆している。
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Research Products
(1 results)