2005 Fiscal Year Annual Research Report
内臓反射に関わる、延髄・脊髄内神経回路の発達とリモデリングの解析
Project/Area Number |
15500244
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
船越 健悟 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (60291572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
跡部 好敏 横浜市立大学, 医学研究科, 助手 (60264602)
中野 真人 横浜市立大学, 医学研究科, 助手 (50237351)
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Keywords | TRPV1 / 脊髄神経節 / 交感節前細胞 / 赤外線感覚 / 上唾液核 / 腹腔神経節 |
Research Abstract |
1)マウス内臓反射に関わる神経路の個体発生学的研究 哺乳類の内臓反射に関わる神経回路の発生過程を明らかにするために、知覚神経における侵害受容体TRPV1の発現をマウス胎仔において調べた。TRPV1は後根神経節ニューロンの神経細胞体にE13より認められ、同時期にTRPV1線維の脊髄への投射も確認された。末梢突起におけるTRPV1の発現時期は臓器によって大きな違いがあり、尿管・膀胱、直腸にはE14-15に発現してくるが、気管・気管支ではE18-P1で発現し、徐々に増加してゆく傾向が認められた.胃・小腸などその他の器官では、TRPV1線維は胎仔期を通じてまばらであった。また、TRPV1とカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の共存率も臓器によって異なり、気管・気管支、尿道・膀胱では高い共存率を示していたが、胃や大腸では低かった。この成果はCell Tissue Research誌に公表された。また、脊髄に投射したTRPV1陽性線維は、E16に仙髄レベルの副交感節前細胞に直接入力することから、脊髄内では、泌尿器や下部消化管からのTRPV1受容体を介する刺激による内臓反射回路がE16には完成している可能性が示された。 2)内臓反射に関わる神経回路の系統発生学的研究 ゼノパスの腹腔神経節ニューロンにサブスタンスP(SP)陽性線維が終末していることから、この神経線維が、脊髄神経節に由来する知覚神経である可能性を探るために、傷害実験や、カプサイシン投与実験を行ったところ、神経節ニューロンを取り囲んでいる神経線維のほとんどが消失した。また、逆行性トレーサーを腹腔神経節に注入したところ、脊髄神経節に多数の細胞が標識され、それらはSPを含有していることが明らかになった。これらより、両生類においても、知覚神経が軸索側副枝を通して、交感神経節ニューロンに反射的調節を行っている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)