2004 Fiscal Year Annual Research Report
霊長類の神経系における高親和性コリントランスポーターの局在解析
Project/Area Number |
15500246
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
松村 譲兒 杏林大学, 医学部, 教授 (90173880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 靖 防衛医科大学校, 医学教育部, 教授 (00195819)
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Keywords | 霊長類 / 中枢神経系 / 神経筋接合部 / in situ hybridization / 免疫組織化学 / 電子顕微鏡 / アセチルコリン / トランスポーター |
Research Abstract |
平成16年度にわれわれは以下の3つの課題について解析を進めた。 1.マカクザル中枢神経系における局在解析 昨年度に実施した脳における局在に関して、今年度はサルの例数を増やして所見の確認を行い、平成16年8月の第16回国際解剖学会と10月の第34回北米神経科学学会において発表した。これまでにin situ hybridization法と免疫組織化学法によって、CHT1のmRNAとタンパクの局在を見いだした部位のうち、脊髄のα運動ニューロンや脳神経運動核のほとんどのニューロンは、脊髄のγ運動ニューロンと比べて細胞質におけるタンパクの局在が少ないことが明らかになった。運動ニューロンの活動状態がCHT1分布に影響する可能性があると考え、コリン作動性シナプスの各種阻害剤を作用させた際にCHT1の分布がどのように変化するかを調べるための実験モデルを現在作成している。 2.マカクザル末梢神経系における局在解析 愛媛大学医学部解剖学第1講座の松田正司教授と共同で、マカクザルの神経節接合部におけるCHT1の局在を、post-embedding colloidal gold法で継続して解析している。その結果、CHT1免疫活性は終末中の細胞質に多く見られ、一部が細胞膜に、ごく少数がシナプス小胞膜に一致して局在するという所見を追試でも確認した。この局在は、シナプス小胞に多く局在するというクラットでの所見と異なるので、現在さらに条件を変えて吟味している。 3.ヒト脳組織の確保 当初の計画で、CHT1の局在をヒトの脳組織で解析するために、解剖実習用遺体のうち死後固定処置までの時間が短かったものを選別して、組織学的検討を加える予定であった。今年度、防衛医科大学校において好適な遺体があり、倫理委員会の承認に基づき、遺族の同意を得た上で組織切片作成を進めている。
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Research Products
(1 results)