2003 Fiscal Year Annual Research Report
T型カルシウム電流のneuropeptideYによる増強のメカニズム
Project/Area Number |
15500254
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岡田 誠剛 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40334677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 宗史 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30150337)
山口 剛 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70323970)
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Keywords | T型カルシウム電流 / neuropeptideY / NG108-15細胞 / ホールセル記録 / NPY受容体 / RT-PCR |
Research Abstract |
T型カルシウムチャンネルは深い膜電位で開口するため、細胞の興奮性の制御に重要な役割を果たしている。neuropeptideY(NPY)は36アミノ酸からなる神経ペプチドで、中枢および末梢神経系に広く分布する。両者の分布には相関が認められ、一般にNPYを含有するニューロンの投射を受けるニューロンはT型カルシウムチャンネルを発現し、機能的な関連性が推測される。本研究は、T型カルシウム電流に与えるNPYの作用を検討することを目的としている。平成15年度までに得られた研究実績は、(1)NG108-15細胞は、未分化な状態においてT型カルシウム電流を発現することが報告されている。我々は、同細胞よりBa^<2+>をチャージキャリヤーとしてホールセル記録を行い、内向き電流の電位依存性、及びCd^<2+>、Ni^<2+>に対する感受性からT型カルシウム電流の発現を確認した。次に、NPY適用により同電流が約10%増大することを認めた。(2)NPYによるT型カルシウム電流の増大は、活性化および減衰のキネティックスには影響を与えなかった。しかし、同電流の電位電流曲線をModified Boltazmannの式に当てはめて求めたV_<1/2>は、NPY適用によって有意に過分極側に移動していた。(3)NPY受容体サブタイプのうち、Y_1受容体アンタゴニスト及びY_2アゴニストはT型カルシウム電流の増大に対して、各々部分的な作用を示したが、Y_5受容体のアンタゴニストには作用は認められなかった。さらに、RT-PCRによる発現検討により、両受容体の発現を確認したが、Y_5受容体の発現は認めなかった。したがって、NPYは、Y_1受容体およびY_2受容体の相加的作用によりT型カルシウム電流を増大させ、興奮性の調節に関与していることが示唆された。 以上の結果を論文としてまとめ、現在投稿中である。
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Research Products
(1 results)