2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500256
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
谷浦 秀夫 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (80263325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 幸雄 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (50094454)
檜井 栄一 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (70360865)
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Keywords | Necdin / MAGE-D1 / p75NTR / E2F1 / p53 / Msx / NGF / TrkA |
Research Abstract |
Necdin遺伝子は15番染色体のPrader-Willi症候群欠損領域に存在し、主要な原因遺伝子と考えられている。Prader-Willi症候群は、視床下部ニューロンの異常が原因と考えらているが、Necdin遺伝子欠損マウスでは、視床下部においてホルモン産生ニューロンの減少が報告されている。Necdin結合蛋白質についていくつか報告してきたが、その中でもNecdinは転写因子E2F1やp53と結合し、その転写活性を抑制し、E2F1やp53によって誘導される細胞死を保護する。Necdinは、MAGEファミリーに属するが、その中でMAGE-D1は、p75NTR(p75 neurotrophin receptor)と結合して神経細胞死を誘導することが報告されている。MAGEファミリーには、MAGE homology domainが共通して存在し、このdomainを介していくつかの結合蛋白質が共通して結合する。 Necdinもまた、p75NTRと結合するがその作用の違いについて検討を行った。p75NTRは、NGF(nerve growth factor)受容体であるTrkAとheterodimerを形成するが、MAGE-D1の発現によってこの両者の結合が解離するのに対して、Necdinの発現によっては両者の結合の増強が認められた。次に、NecdinあるいはMAGE-D1同士のhomoの結合が報告されていることから、NecdinとMAGE-D1のheteroの結合について検討を行った。さまざまなMAGE-D1欠損変異体を大腸菌で発現させ、NecdinとのPull-down assayを行ってところ、MAGE homology domainを介して、NecdinとMAGE-D1が結合することが認められた。MAGE-D1は、interspersed hexapeptide repeat domainを介して、homeobox型転写因子であるMsxと結合するが、Necdinは、MAGE-D1との結合を介してMsxとも相互作用することが明らかとなった。このようなNecdinとMAGE-D1の相互作用の結果、NGFの受容体への親和性を変化させ神経細胞死あるいは生存を制御していると考えられた。
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Research Products
(3 results)