2004 Fiscal Year Annual Research Report
電位依存性Na^+チャネルβ‐サブユニットの細胞接着分子としての新たな役割
Project/Area Number |
15500263
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
小林 英幸 宮崎大学, 医学部, 助教授 (40148953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 明彦 宮崎大学, 医学部, 教授 (30131949)
柳田 俊彦 宮崎大学, 医学部, 助手 (60295227)
横尾 宏毅 宮崎大学, 医学部, 助手 (30332894)
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Keywords | 電位依存性Na+チャネル / β-サブユニット / 細胞接着分子 / 分化 / 強制発現 / GFP / PC12細胞 / 局在 |
Research Abstract |
電位依存性Na^+チャネルβ-サブユニットの生理的役割を明らかにしようとした。このため、強制発現させたβ-サブユニットGFP融合遺伝子の細胞内局在と、その細胞の形態変化、および細胞接着による神経伝達物質合成酵素レベルの変化を調べた。 β1-サブユニットGFP融合遺伝子をHEK293細胞に導入したところ、細胞膜に強く発現したが、小胞体にも発現した。一方、β2-サブユニットGFPは、細胞膜に強く発現したが、この細胞は細胞膜から多数の微絨毛を伸ばしていた。β3-サブユニットGFPは、細胞膜の他、核周囲の球状構造に強く発現しており、この細胞も微絨毛を伸ばしていた。よって、各サブユニットは、それぞれの細胞内輸送機序、また、細胞の形態形成や運動における機能が、異なっていることが明らかとなった。 さらに、各β-サブユニットGFP遺伝子の安定発現HEK293細胞を作製した。PC12細胞と共培養し、β-サブユニットとの接着による、PC12細胞の性質の変化を調べた。神経分化の指標としてニューロフィラメント、カテコールアミン合成の律速酵素であるチロシン水酸化酵素、アセチルコリン合成酵素であるコリンアセチル転移酵素の蛋白レベルを測定した。しかしながら、各サブユニット発現細胞との共培養による、有意な変化は見られなかった。 一方、PC12細胞に各β-サブユニットGFP遺伝子を強制発現させると、NGF非存在下でも神経突起を伸ばした。その作用は、β1より、β2またはβ3-サブユニットの方が強かった。各β-サブユニットGFP発現PC12細胞の、NGFによる神経突起伸長作用は、対照に比べ強かった。 以上のことから、各β-サブユニットは細胞分化を調節する機能を持っており、それぞれの細胞内輸送機序、細胞膜発現機序は異なっていることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)