2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛に対する5-HT_<2A>受容体アンタゴニストの緩和作用機構
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15500271
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
西尾 廣昭 福山大学, 薬学部, 教授 (30034036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二反田 綾 福山大学, 薬学部, 助手 (80352003)
田村 豊 福山大学, 薬学部, 助教授 (30217202)
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Keywords | 5-HT_<2A>受容体 / 痛覚過敏 / Bennettモデル / 神経因性疼痛 / 神経成長因子 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
神経因性疼痛に対する5-HT_<2A>受容体アンタゴニストの緩和作用機構を明らかにするため、坐骨神経部分結紮による痛覚過敏モデルラット(Bennettモデル)を作成し,痛覚閾値の検定を行った。本年度は、機械的刺激法(Randall-Selitto法)に加えて熱的刺激法(Hargreaves法)を用いて、刺激法による違いすなわち痛みの感受性の違いおよび5-HT_<2A>受容体アンタゴニストの薬理作用の違いについて検討した。その結果、熱刺激法においても、機械的刺激法によるものと同様の痛覚過敏状態が同様の時間経過で評価出来ることが明らかとなった。このような、痛覚過敏状態に対してKetanserinやSarpogrelateのような選択的5-HT_<2A>受容体アンタゴニストの腹腔内投与は有意な緩和作用を示した。その他の5-HT受容体サブタイプに対する選択的アンタゴニストはほとんど緩和作用を示さなかった。非選択的5-HT受容体アンタゴニストであるMethysergideもほとんど緩和作用を示さず、むしろSarpogrelateによる薬理作用に拮抗することが示された。さらに、痛覚過敏の発現には、神経損傷局所における好中球の遊走増加を伴う神経成長因子(NGF)の濃度増加および局所的一酸化窒素(NO)濃度上昇が関与する可能性が示唆されていることから、NGFおよびNitroglycerinの局所適用による痛覚過敏モデルの作成を試みた。その結果、これら両薬物の局所適用によっても痛覚過敏状態が出現すること、およびこれらの症状に対しても選択的5-HT_<2A>受容体アンタゴニストが緩和作用を発現することを見出した。さらに、このような緩和作用機構について、神経細胞レベルでの可塑的変化の解析を行う目的で、ラットからの後根神経節初代培養細胞実験系の確立を行った。
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