2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛に対する5-HT_<2A>受容体アンタゴニストの緩和作用機構
Project/Area Number |
15500271
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
西尾 廣昭 福山大学, 薬学部, 教授 (30034036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 豊 福山大学, 薬学部, 助教授 (30217202)
平居 貴生 福山大学, 薬学部, 助手 (80389072)
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Keywords | 5-HT_<2A>受容体 / 痛覚過敏 / Bennettモデル / 神経因性疼痛 / 皮膚表皮角化細胞 / 5-HT受容体サブタイプ / BDNF / GDNF |
Research Abstract |
神経因性疼痛に対する5-HT_<2A>受容体アンタゴニストの緩和作用機構を明らかにするため、坐骨神経部分結紮による痛覚過敏モデルラット(Bennettモデル)を作成し、痛覚閾値の検定を行い、末梢局所の5-HT_<2A>受容体蛋白の機能的変化が痛覚過敏発症に関係している可能性を明らかにしている。 1)本年度は、神経細胞レベルでの可塑的変化の解析を行う目的で、ラット後根神経節初代培養細胞実験系の確立し、以下のような遺伝子的、神経化学的解析を行った。ラット後根神経細胞に5-HT_<2A>受容体のDNAおよびmRNAが存在する事を、PCR法およびRT-PCR法によってそれぞれ明らかにした。さらに、痛覚過敏ラットの痛覚過敏下肢から調製した後根神経節細胞に発現している5-HT_<2A>受容体mRNAの解析を行い、正常下肢との比較を行ったが、両者には明確な変異は認められなかった。また、この初代培養細胞系における5-HT_<2A>受容体刺激による細胞内カルシウム反応の解析を試みているが、現在のところ明確な結論は得られていない。 2)5-HT_<2A>受容体アンタゴニストの痛覚過敏緩和作用点であるマウス皮膚から表皮角化細胞初代培養系の確立を行い、以下のような遺伝子レベルでの解析を行った。その存在が現在確認されている14種類の5-HT受容体サブタイプのすべてに関して、それらのmRNAについてRT-PCR法により検討した。その結果、5-HT_<1B/1D>、5-HT_<2A>、5-HT_<3B>および5-HT_7受容体のmRNAは検出できるが、5-HT_<1A>、5-HT_<1F>、5-HT_<2B/2C>、5-HT_<3A>、5-HT_4、5-HT_<5A/5B>および5-HT_6受容体のmRNAは検出できないことを明らかにした。 3)NGFおよびNitroglycerinに加えて、rhBDNFあるいはhGDNFの局所適用は、ラット下肢に痛覚過敏状態を引き起こすことを見出した。
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