2003 Fiscal Year Annual Research Report
活性化ミクログリアの遊走・貪食におけるIba1とRacの機能解析
Project/Area Number |
15500276
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
今井 嘉紀 愛媛大学, 医学部, 助教授 (20270689)
|
Keywords | ミクログリア / 遊走 / 貪食 / Iba1 / Rac / フィンブリン / アクチン / 活性化 |
Research Abstract |
Iba1はミクログリア/マクロファージに特異的なカルシウム結合たんぱく質であり、単量体Gたんぱく質Racと協調的にミクログリアの強い遊走能・貪食能の分子基盤を構成すると考えられる。本研究では、酵母two-hybridスクリーニングによりIba1結合たんぱく質としてアクチン束化たんぱく質フィンブリンを同定した。Iba1のC末端断片をbaitとしてヒト脾臓cDNAライブラリをスクリーニングし、複数個のフィンブリンcDNAクローンを単離した。そこでCOS-7細胞にフィンブリンとIba1を共発現させ、Iba1を免疫沈降下したところフィンブリンが共沈した。さらに、精製たんぱく質を調製し、免疫沈降・GSTプルダウン法・オーバーレイアッセイを行いIba1とフィンブリンが直接結合することを示した。つぎに、免疫染色を行い細胞内局在についても検討した。非刺激下のミクログリア細胞株MG5ではIba1とフィンブリンは異なった分布を示したが、M-CSFで刺激すると速やかに膜ラッフルが形成され、その部位にIba1とフィンブリンが集積し一致した局在を示した。貪食時に形成されるファゴサイティックカップでのIba1とフィンブリンの共存も示された。我々は以前にIba1のアクチン束化能について報告した。そこで、フィンブリンのアクチン結合能・束化能に対するIba1の影響を調べた。Iba1の存在下・非存在下でフィンブリンのアクチン結合能は影響を受けなかったのに対し、アクチン束化能はIba1存在下で増強した。さらにIba1変異体を用いた解析により、束化能増強は単なる相加効果によるものではなく、Iba1とフィンブリンの結合の影響であることを示した。ミクログリアの遊走・貪食の原動力はアクチン細胞骨格の再構成であるが、以上の結果はIba1とフィンブリンの結合が細胞骨格の制御に重要であることを示唆する。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Boven, L.A.: "Up-regulation of proteinase-activated receptor 1 expression in astrocytes during HIV encephalitis."J.Immunol.. 170. 2638-2646 (2003)
-
[Publications] Takahashi, J.: "Interleukin-1β promotes oligodendrocyte death through glutamate excitotoxicity."Ann.Neurol.. 53. 588-595 (2003)
-
[Publications] Power, C.: "Intracerebral hemorrhage induces macrophage activation and matrix metalloproteinases."Ann.Neurol.. 53. 731-742 (2003)
-
[Publications] Mori, I.: "Iba1-expressing microglia respond to herpes simplex virus infection in the mouse trigeminal ganglion."Brain Res.Mol.Brain Res.. 120. 52-56 (2003)
-
[Publications] Ohsawa, K.: "Macrophage/microglia-specific protein Iba1 binds to fimbrin and enhances actin-bundling activity of fimbrin."J.Neurochem.. 88. 844-856 (2004)
-
[Publications] Asheuer, M.: "Human CD34+ cells differntiate into microglia and express recombinant therapeutic protein."Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.. (印刷中). (2004)